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専門医部会成立の経緯

専門医部会成立の経緯

専門医部会会長(平成18年時) 木野昌也

平成18年3月13日に開催されました日本内科学会理事会で,日本内科学会の一組織として「専門医部会」を設置する決定がなされました.そして,平成18年5月9日,担当理事,部会長,副部会長が決定され,「専門医部会」の活動を開始することとなりました.専門医部会は,昭和51年5月に設立されました旧「認定内科専門医会」30年間の活動実績を基に成立致しました.そこで,まず内科専門医制度制定の目的とその歴史,そして認定内科専門医会設立の目的と活動実績について述べ,次いで認定内科専門医会を発展的に解散し,日本内科学会専門医部会が成立した経緯について報告いたします.

(1)内科専門医制度の制定とその目的

昭和39年12月15日,日本内科学会理事会にて,冲中重雄理事長,橋本寛敏理事より内科専門医制度の検討再開提議があり,内科専門医制度について検討が開始されました.昭和40年9月22日,「内科専門医制度委員会および大学内科講座に関する委員会第1回会議」にて,内科専門医制度設立の目的は,「内科医としての広い知識と錬磨された技能をそなえた優れた臨床医を社会におくり,社会一般の人々がより高い水準の医学の恩恵を受けられるよう社会の福祉に貢献し,併せて内科学の向上をはかること」と定められました.

内科専門医制度準備委員会での検討を経て,昭和41年3月31日,臨時評議員会にて日本内科学会認定内科専門医制度制定の必要性が正式に承認され,内科専門医制度審議会,内科専門医教育病院資格認定委員会,内科専門医資格認定試験委員会が設置されました.内科専門医制度審議会における二年間の協議の後,第6回審議会で「日本内科学会認定内科専門医」を正式名称とすることが決定されました.

昭和43年10月1日,日本内科学会内科専門医制度が正式に発足.昭和48年10月15日,第1回資格認定試験が実施され,昭和48年12月11日に最初の認定が行われました.以来,現在まで34回の資格認定試験が実施され,現在の内科専門医数は10,000人を超えています.(平成18年9月末現在数 10,537名)

(2)「認定内科専門医会」の設立とその活動実績

認定内科専門医会は,日本内科学会が認定致しました認定内科専門医が集まり,相互の親睦と情報の交換をはかり,内科専門医制度の主旨の浸透と発展に寄与し,ひいては社会の福祉に貢献し,併せて認定内科専門医の向上を目的として,昭和51年5月28日に発足致しました.認定内科専門医会設立の目的について,日野原重明先生(当時聖路加看護大学学長)は,平成元年7月発行の「内科専門医会ニュース」の寄稿文の中で,「内科学を広くマスターした認定内科専門医のレベルを常に高く保つということは非常に難しい.少なくとも一年に1~2回新しい知識を学ぶ学習会が必要である.そのために認定内科専門医の有資格者が集まって,例えば日本内科学会講演会の時に認定内科専門医のみが集まって学習会をするのも良いと思う」と認定内科専門医会活動の意義について述べておられます.

認定内科専門医会は,初代西崎 統(聖路加国際病院),第2代石村孝夫(石村内科循環器科),第3代小林祥泰(島根大学),第4代石橋大海(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター)各会長の元で順調に発展を続け,平成16年4月第5代会長として木野に引き継がれました.第一回総会は昭和51年(1976年5月28日)に,第一回評議員会は平成10年(1998年4月10日)にそれぞれ開催されました.認定内科専門医会第一回講演会は平成元年4月7日に開催され,大阪国際会議場での第16回講演会(平成17年4月8日開催)まで毎年開催されました.

認定内科専門医会の活動実績として主なものに,各支部における活動(症例検討会,教育セミナーの開催),内科専門医会誌の発行(年4回,平成18年5月発行の第18巻第2号で終了),臨床研究の奨励推進(平成5年に第1回研究奨励賞が3演題に授与され,平成18年の第16回奨励賞まで合計42演題に研究奨励賞が授与されました),活動としては,インターネット,国際フェローシップ,医療標準化,国際用語編集,教育研修,国際ネットワーク,プロフェッショナリズム,タバコ対策等のワーキンググループがあります.さらに国際交流事業として米国内科学会(ACP)日本支部の設立と運営に積極的に関与してきました.

日本内科学会関連事業として主なものに,

  1. 日本内科学会総会・講演会におけるプログラムへの参画,「内科専門医によるCPC」,
  2. 日本内科学会地方会におけるプログラムへの参画,
  3. 特に認定医制度審議会へは積極的に参画してきました.具体的には,認定試験(問題作成,研修記録の査読,試験監督),研修カリキュラムの作成,セルフトレーニング問題の作成,「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン」の執筆があります.
  4. 日本内科学会からの委託事業として,医療ビッグバンの基礎知識-医療の大変革を理解するためにー(1999年9月20日発行),内科臨床研修指導マニュアル(2001年6月20日発行),標準的内科診療録-電子化にどう対応するかー(2002年7月20日発行),より良いインフォームド・コンセント(IC)のために(2003年9月20日発行),より良い生活習慣のために:医師が支える行動変容(2004年9月30日発行)等,活動の成果は社団法人日本内科学会(認定内科専門医会編)として,日本内科学会より出版発行致しました.

(3)「認定内科専門医会」の解散と「専門医部会」成立の経緯

認定内科専門医会設立の時期から課題とされていたことではありますが,専門医資格が社会的認知を得,専門医数が10,000人を超え,活動実績が充実するようになるにつれ認定内科専門医会自体に内在する矛盾が明らかになってきました.問題の焦点は,認定内科専門医会が日本内科学会の組織の中に正式に位置付けられていないことでした.現実には認定内科専門医会の実体は日本内科学会で認知され,活動実績も高く評価されており,認定内科専門医会は認定医制度を中心として日本内科学会の諸活動に積極的に携わってきました.さらに,専門医資格の社会的認知が進み,平成14年4月に行われた厚生労働省の医療広告の規制緩和といった外部環境の変化等々の要因により,認定内科専門医会を現状のままで維持発展させることが困難となりました.

そこで平成17年1月21日,認定内科専門医会でその在り方について問題提起され検討が開始されました.さらに日本内科学会は,認定内科専門医会からの要望を受け,日本内科学会在り方検討委員会の中に「内科専門医会のあり方に関するワーキング・グループ」を設置し,平成17年8月31日,第1回ワーキング・グループが開催されました.

ワーキング・グループのメンバーは下記の各委員(敬称略)です.

山口 徹(在り方検討委員会委員長),下条文武,柏木厚典(各担当理事),花房俊昭(在り方検討委員会副委員長),木野昌也(認定内科専門医会会長),渡辺 毅,木原康樹(各認定内科専門医会副会長).

第2回のワーキング・グループは平成17年12月21日に開催され,協議の結果,認定内科専門医会を発展的に解散し,日本内科学会の一組織として「専門医部会」を発足するという結論を得,日本内科学会在り方検討委員会へ答申されました.そして,日本内科学会在り方検討委員会での協議の末,平成18年3月13日に開催された理事会にて正式に決定されました.

今後,専門医部会は日本内科学会の一組織として,認定医制度の理念に則り,日本内科学会の発展のため努力して参る所存です.以下に,新たに成立致しました 専門医部会の幹事会構成を示します.

 

専門医部会幹事会(発足時)

担当理事 祖父江 元(名古屋大学)、瀧下 修一(琉球大学)
部会会長 木野 昌也(北摂総合病院)
部会副会長 渡辺 毅(福島県立医科大学)

部会幹事(発足時)
編集担当 石橋 大海(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター)
編集担当 久保 惠嗣(信州大学)
教育担当 岡崎 仁昭(自治医科大学)
教育担当 二木 芳人(倉敷第一病院)
教育担当 宮崎 俊一(近畿大学)
企画担当 木原 康樹(神戸市立中央市民病院)
企画担当 前田 賢司(前田内科医院)
対外交流担当 朔 啓二郎(福岡大学)
対外交流担当 高林克日己(千葉大学)
総務担当 村島 温子(国立生育医療センター)

支部部会長(発足時)

北海道支部 織田 一昭(西岡病院)
東北支部 大沢 弘(弘前大学)
関東支部 米倉 修司 (順天堂大学)
信越支部 西 慎一(新潟大学)
東海支部 石塚 達夫(岐阜大学)
北陸支部 元雄 良治(金沢医科大学)
近畿支部 天野 利男(天野内科循環器科)
中国支部 浦上 克哉(鳥取大学)
四国支部 板東 浩(徳島大学)
九州支部 司城 博志(村上華林堂病院)

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