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教育セミナー

開催予定

開催履歴

2017年度

開催日 2017年2月18日(土) 15時40分~17時10分
会場 北海道大学臨床講義棟
世話人 札幌医科大学 山本 和利
司会
NTT東日本札幌病院腎臓内科 橋本 整司
テーマ
『糖尿病患者の腎病変を再考する』

1. はじめに

今や国民病であり、透析導入疾患1位でもある糖尿病と糖尿病腎症。初期に過濾過になり、その後微量アルブミン尿から顕性化。ネフローゼに至り腎機能が低下。腎組織は、瀰漫性の基底膜肥厚やメサンギウム基質が増加、結節性病変・滲出性病変が出現するのが典型例です。
しかし糖尿病に続発、あるいは合併する腎症は画一ではありません。全てが典型例ではなく、全てが“糖尿病腎症”でもりません。
本セミナーでは、糖尿病→“糖尿病腎症”という短絡的結論に陥るのではなく、様々な可能性を考慮しながら診断と治療を考えていきます。
典型例ではない症例、誤解されやすい症例を提示し、陥りやすい罠に嵌らずに正確な診断を得られるコツがないか検討します。
腎臓病理については、市立札幌病院病理診断科の辻先生に御講義をいただきます。
また糖尿病は近年新薬の上市が続き、その治療法が激変しています。最新の治療法につき、NTT東日本札幌病院の永井先生に御解説をいただきます。

2.症例提示 NTT東日本札幌病院 腎臓内科 横山あい

  1. 症例提示:『糖尿病患者の腎病理診断』 市立札幌病院病理診断科 辻 隆裕

    糖尿病患者の腎病理診断では糖尿病性腎症の有無や程度を確認するとともに糖尿病性腎症以外の病態がないか精査することが重要です。蛍光抗体法でIgA腎症や膜性腎症などの合併を鑑別します。アミロイドーシスはpitfallになります。また、糖尿病に合併する腎硬化症や肥満関連腎症が腎病変の主因と思われるケースもあります。当科で経験した症例を提示したいと思います。

  2. 症例提示:『糖尿病外来における糖尿病腎症の管理』 NTT東日本札幌病院 永井 聡

    糖尿病の診療において、腎症を考慮した診療には具体的にどうすればよいのでしょうか。血糖や血圧管理、またそれ以外に糖尿病腎症患者へ行える多面的・包括的アプローチについて当科で実践している診療について症例を交えて提示いたします。

2016年度

開催日 2016年11月19日(土)
会場 北海道大学臨床講義棟
世話人 札幌医科大学 山本 和利
司会
札幌医科大学 山本 和利
テーマ
『日常診療でよくある主訴から何を考えるか?』

  1. 症例提示:JCHO札幌北辰病院 若林 崇雄

    後から振り返るとそうだよね、なんでこれをしなかったのだろう、というような指導を研修医にしていませんか(研修医が言われて一番傷つく言葉ですね)。臨床はon the jobで考えなければならないため、いつも完全に、という働きが困難です。そんなとき少し「バイアス」を意識してみましょう。「バイアス」の正体さえわかれば(いつも、というのは困難でも)冷静にいようと努力できるはずです。今回、顔面腫脹を訴えて総合診療科を受診された50代の男性を通じ、どのようなときにどんなバイアスが出現するか、そしてそれをどうやって退治したらよいのか検討してみたいと思います。それでは奥深い臨床の森を少しだけ覗いてみましょう!

  2. 症例提示:江別市立病院総合内科 葛西 孝健

    症例:前立腺癌で泌尿器科に通院し内服治療で安定経過の85歳男性
    来院2週間前から便秘と食思不振があり下剤でも排便はなく徐々にADLが低下しました。来院1週間前に泌尿器科で腹部CTと骨シンチが行われましたが同科的問題はなく帰宅しました。来院4日前には腹部膨満と腹痛で体動困難となり救急輪番病院に搬送され小腸イレウスとして入院となりました。保存加療でもレントゲン所見が増悪したため外科的治療の検討を依頼されて紹介となり総合診療科に搬送されました。
    軽度の意識障害があってsickな印象であり,体温37.8度ですが一般診察上は特記所見を認めませんでした。
    この症例について,病歴・身体所見・検査所見を提示しながら参加者とともに診断プロセスを振り返ります。

開催日 2016年7月23日(土) 15時30分~17時10分
会場 北海道大学臨床大講堂
世話人 旭川医科大学 長谷部直幸(日本内科学会北海道支部代表)
札幌医科大学 山本 和利(日本内科学会専門医部会北海道支部部会会長)
事務局 北海道大学 中村 昭伸(日本内科学会北海道支部事務局)
テーマ
『内科疾患アップデート~2016年』

  1. ミニレクチャー①「がん薬物療法における最近の話題」
    北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野 木下 一郎

    進行がんの薬物療法において、ここ数年で2つのブレイクスルーがあった。一つ目は分子標的治療の進歩であり、特に肺腺癌で多く見られるようなドライバーがん遺伝子変異を標的とする治療は飛躍的な治療成績の改善をもたらした。これらの遺伝子変異はコンパニオン診断薬で検査されるが、次世代シークエンサーで網羅的に解析し最適な治療薬を選択するクリニカルシークエンスの試みが開始されている。二つ目は免疫治療薬の承認である。がん細胞が免疫系を抑制する機構として免疫チェックポイント分子の存在が明らかとなり、それらを阻害する抗体薬が開発された。悪性黒色腫や非小細胞肺癌などで有効性が証明され、奏効例では長い奏効期間が示されている。こうしたがん薬物療法の進歩と問題点について概説する。

  2. ミニレクチャー②「骨髄不全症候群の診断・治療のアップデート」
    札幌医科大学血液内科学 小船 雅義

     骨髄不全症候群とは造血幹細胞の量的・質的減少により血球の減少を呈し,進行すると汎血球減少症を呈する造血器疾患である。通常、再生不良性貧血、低リスクの骨髄異形成症候群、発作性夜間血色素尿症が3大疾患として挙げられる。国民健康・栄養調査では、近年、正球性貧血患者が増加していることが示されており、60歳代で7~8%、70歳代で20%におよぶ。血小板あるいは好中球減少を伴うことがあり、造血不全症候群を発症していると考えられる。病型診断には骨髄検査が不可欠であるが、抗凝固剤内服やその他の合併症により、検査困難なことも少なくない。骨髄不全症候群の最近の知見、診断法および治療法の進歩について概説する。 

  3. ミニレクチャー③「肺がんに対する気管支鏡検査」
    北海道大学病院内科I 品川 尚文

    がんは我が国における死因の第一位となっており、その中でも肺がんは最も高い死亡率を示している。肺がんは、発見される段階で既に進行期であることが多く、早期発見早期診断は難しいことが多い。低線量CTによる検診でみつかるような小型の病変も増えてきたが、こうした病変に対する組織診断はしばしば困難である。肺末梢小型病変に対する気管支鏡検査における、最新の知見について概説する。また進行期肺がんに対しては、抗がん剤による化学療法が行われることが多いが、以前と比較して治療の個別化が進み、方針決定のためには腫瘍組織を十分に採取することが求められている。気管支鏡検査において、こうした診断法に対応するための工夫についてもお話する予定である。

  4. ミニレクチャー④「炎症性腸疾患診療;最近の話題」
    旭川医科大学内科学講座消化器・血液腫瘍制御内科学分野 藤谷 幹浩

    炎症性腸疾患は若年者に多く発症する難治性腸炎であり根治治療はない。しかし、抗TNFα抗体製剤に代表される新規治療薬の導入により、手術やステロイド治療を回避できる症例が非常に多くなった。それにともない、治療のゴールは自覚症状の消失から内視鏡的「粘膜治癒」へと移りつつある。また、大腸、小腸内視鏡によって行われてきた重症度評価や再燃予測が、便中カルプロテクチンなどの非侵襲的マーカーによって代用されるつつある。さらには病態に関連する遺伝的素因や腸内環境の異常が明らかになるにつれ、これらの新知見を活かした新規治療開発が急速に進んでいる。本講演では、これらの診療トピックスについて概説する。

  5. ミニレクチャー⑤「ループス腎炎の治療Update」
    北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学 保田 晋助

    ループス腎炎 (LN) は、全身性エリテマトーデスの合併する代表的な臓器病変である。増殖性LNに対する標準治療は高用量ステロイドとシクロホスファミド間欠静注療法 (IVCY) の併用であったが、ミコフェノール酸モフェチル (MMF) の寛解導入効果がIVCYに対して同等かそれ以上であること、また安全性における優位性が海外で示されたことから、治療の第一選択はMMFへと移行しつつある。本邦では、IVCYのほかにタクロリムスが汎用されてきたが、MMFも公知申請を経てこの度認可されるに至った。本講演では、タクロリムス、MMFによる治療効果の比較やこれらの併用療法を紹介し、LN治療の変遷と今後について概説する。

開催日 2016年2月27日(土) 15時15分~16時45分
会場 北海道大学臨床講義棟
世話人代表 札幌医科大学 山本 和利
テーマ
地域医療について考える

  1. 『北海道における地域医療と地域医療教育』
    旭川医科大学 住友 和弘
  2. 『地域医療を実践する内科医に求められるコンピテンシーとその評価方法』
    国立病院機構長崎医療センター(専門医部会地域医療教育ワーキンググループ) 向原 圭

 

2015年度

開催日 2015年12月5日(土) 15時50分~17時20分
会場 北海道大学学術交流会館 2階講堂(A会場)
世話人代表 札幌医科大学 山本 和利
テーマ
『臨床病理カンファレンス:CPC』

  1. 原因不明の発熱と腹水をきたした1例
    JR札幌病院 川山真理子
  2. stage IIのCOPD治療中に重度の呼吸不全で死亡した1例
    KKR札幌医療センター 伊藤 聡司
開催日 2015年7月11日(土) 13時30分~15時10分
会場 旭川グランドホテル2階 孔雀(A会場)
世話人代表 旭川医科大学 長谷部直幸
企画担当 札幌医科大学 山本 和利
テーマ
『内科疾患アップデート~2015年』
内科各分野におけるエキスパートが疾患の最近の知見などを加えて概説します。
内容
ミニレクチャー【1】「糖尿病性腎症と糖尿病治療のアップデート」
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野 安孫子亜津子

糖尿病性腎症は透析導入原疾患の第1位であり、わが国の医療費にも大きな負担を与えている。また、糖尿病性腎症の進行に伴い、心血管イベントや死亡のリスクが高くなる。本セミナーではわが国における糖尿病性腎症の実態、問題点などについて概説する。腎症の発症や進展を抑制するためにも、血糖のみならず血圧、脂質、生活習慣の是正など集約的な介入が望まれる。特に糖尿病診断早期からの良好な血糖コントロールは重要であり、患者個々の病態に応じた治療を継続的に行う必要がある。定期的にアルブミン尿の評価をし、腎症病期を的確に診断すること、腎機能の変化を意識した糖尿病治療薬の選択についても解説する。

ミニレクチャー【2】「心臓カテーテル治療における最近の話題」
札幌医科大学循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 三木 隆幸

本セミナーではカテーテル治療の2つの話題につき概説したい。
1)虚血性心疾患の治療に薬剤溶出性ステントが使用され再狭窄率が減少したが、二剤併用抗血小板療法が必要とされており、出血性合併症のリスクが増加する。必要のないステント留置は避けなければならず、冠動脈の生理機能的評価が重要視されている。冠血流予備比(FFR)を用いた虚血診断に基づいたステント治療について概説する。
2)重症大動脈弁狭窄症に対する治療のgold standardは大動脈弁置換術であるが、高リスク症例に対し、経カテーテル大動脈弁留置術 (TAVI)が開始された。TAVIの実際につき概説する。

ミニレクチャー【3】「上部消化管癌の内視鏡診断・治療」
北海道大学大学院医学研究科消化器内科学分野 清水 勇一
上部消化管癌の内視鏡診断に関しては、狭帯域強調画像(Narrow Band Imaging: NBI)、および拡大内視鏡観察が近年の大きなbreak throughとなった。食道ではNBIを用いることにより、ヨード散布による被検者の苦痛を回避し、なおかつほぼ同等の早期癌診断能を得ることが可能となった。拡大観察を併用することにより、深達度診断も可能である。また、NBI観察により早期頭頸部癌症例も数多く発見されるようになった。NBI拡大観察を用いることにより早期胃癌の精密な範囲診断も可能である。これら精密に診断された早期上部消化管癌は、内視鏡的粘膜下層剥離術による一括切除にて極めて低侵襲に根治可能である。最近の内視鏡診断・治療の進歩について概説する。
ミニレクチャー【4】「パーキンソン病;最近の話題」
札幌医科大学神経内科学講座 久原 真
高齢化が進む本邦においてパーキンソン病はアルツハイマー病と共に代表的な神経変性疾患である。有病率は増加の一途をたどり人口10万人あたり約150人とされ、総数15-20万人と推定されている。現時点でも発病の病態生理学的機序は不明な点が多いが、近年1)嗅覚障害や認知機能障害などの非運動症状の重要性、2)心筋MIBGシンチやDATスキャンなどの診断に有用な画像検査法、3)CDS (Continuous dopaminergic stimulation)の概念に基づいた新規抗パーキンソン病薬の開発、などにおいて臨床的知見の蓄積と進展がみられている。これら症候・診断・治療のトピックスを中心に概説する。
ミニレクチャー【5】「TKI登場後の慢性骨髄性白血病治療」
北海道大学血液内科学分野 近藤 健

 慢性骨髄性白血病(CML)は、2001年のイマチニブ登場以降、造血幹細胞移植が1st lineの治療から後退し、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)単剤でコントロールが可能な疾患となった。現在はEuropean Leukemia Netコンセンサスに沿って治療方針を決定することが行われているが、一部の症例ではTKIが不耐容であったり、十分な効果が得られないこともある。一方、TKIは非常に高価であり一生内服することには、患者さんの負担も非常に大きい。難治症例への対応や、TKI中断の可能性についてはCML治療における重要な課題となっている。本講演では、CMLの標準療法およびピットフォール、更には今後の戦略について概説する。

開催日 2015年2月7日(土) 15時~16時30分
会場 北海道大学学術交流会館 2階 A会場
世話人代表 札幌医科大学 山本 和利
企画担当者 札幌共立五輪橋病院 古川 勝久 /  西岡病院 織田 一昭
司会 JR札幌病院 土田 哲人
テーマ
『診断に苦慮した症例を検証する』
内容
日常診療で診断・治療に苦慮した疾患を提示し、鑑別診断等、参加者も加わって再度検証します。

症例提示1:古川 勝久
既往に良性発作性頭位めまい症がある70歳代、男性。
眩暈と嘔吐を主訴に、耳鼻科と脳神経外科を受診しましたが2週間しても症状の改善が得られませんでした。新規の病変もないことから、内科受診を勧められて、当科外来を受診しました。身体所見ではるい痩、貧血を認めました。
このような症例の発症形式、病歴、検査結果から鑑別疾患は何かを中心にして、診断プロセスを参加者とともに辿ります。
症例提示2:濱口 杉大
症例:71歳の生来健康な男性。
それまで特に症状はなかったが、来院2日前の夜にトイレに行こうと起きた際に左下腹部痛が出現した。1日安静で様子をみて増悪はなかったが、来院当日朝に起きようとしたら疼痛のために体幹挙上が困難となったため救急車にて来院した。食欲、排便などに変化なし。バイタルサインはすべて異常なし。左下腹部に軽度の圧痛があるが、反跳痛や筋性防御なし。
この症例について病歴、身体所見、検査所見などを通して参加者と診断を推論していきます。

2014年度

開催日 2014年11月29日(土)
会場 北海道大学学術交流会館
世話人代表 日本内科学会専門医部会北海道支部部会会長 札幌医科大学 山本 和利
司会 札幌共立五輪橋病院 古川 勝久
テーマ
日常診療でよくある主訴から何を考えるか?
内容
日常診療でよくある主訴(コモンシンプトーム)で受診した患者を診たとき、どのような疾患を考えるか?実地臨床に携わる中での教訓等も加味して、全員参加型の検討会を企画いたしました。

1.『腹痛、腰背部痛を主徴とする疾患』
症例呈示、解説:白石明日佳病院内科 陰山 研

日常の外来診療で腹痛(心窩部痛、下腹部痛)、腰背部痛などのよくある症状を主訴に来院する患者さんの症例を数例提示する。よくあるコモンな疾患を問診、キーワードにこだわりながら診断・解説していく。

2.『内科医が診る関節痛』
症例呈示、解説:札幌東徳洲会病院総合診療部 佐土原道人

関節痛は、外来、病棟で多く診る愁訴である。関節リウマチや痛風関節炎、結晶性関節炎などのコモンな疾患から膠原病および類縁疾患による比較的希な疾患まで多彩である。整形外科などとの境界疾患であることも多く、診断まで複数の医療機関を受診したり、診断までに時間を要することも多い。的確な診断により、痛みや機能的なQOL低下を防ぐことができる。
その鑑別においては、急性か慢性か、単関節炎か多関節炎のカテゴリーに分けて考えると分かり安い。また、疾患が想起できるだけで診断につながるSnap shot diagnosisが可能なものも多い。症例を呈示しながら、関節痛の鑑別について概説する。

 

開催日 2014年7月19日(土)
会場 北海道大学学術交流会館
世話人代表 北海道大学 西村 正治(日本内科学会北海道支部代表)
企画担当 札幌医科大学 山本 和利(日本内科学会専門医部会北海道支部部会会長) 西岡病院 織田 一昭(日本内科学会専門医部会北海道支部幹事長)
テーマ
内科疾患アップデート~2014年
内容
内科各分野におけるエキスパートが、疾患の最新の知見などを加えて概説する。

ミニレクチャー1.
最近のCKD診療のエビデンスについて
旭川医科大学循環・呼吸・神経・腎臓・病態内科学分野 藤野 貴行

慢性腎臓病(CKD)診療に関するエビデンスが数多く蓄積され、高血圧治療、貧血などに対する考え方も時間の経過とともに変化してきている。2013年に日本腎臓病学会から、また国際的にもKDIGO (Kidney Disease Improving Global Outcome)のCKDガイドラインが改訂された。例えばCKDの重症度分類はこれまでに主に腎機能(GFR:糸球体濾過)でなされていたが、多くの研究結果から、心血管疾患や末期腎不全にいたるリスクは、原疾患や蛋白尿(アルブミン尿)の有無で異なることが明らかになり、新たな重症度分類が作成された。本セミナーでは、これらエビデンスに基づいた新たな診療ガイドラインについて概説する。

ミニレクチャー2.
心房細動治療アップデート
北海道大学病院循環器内科 横式 尚司

心房細動に対する治療の柱は、(1)抗不整脈薬、カテーテルアブレーションといった不整脈自体をコントロールするための治療、(2)合併する心不全に対する治療、さらに(3)血栓塞栓症に対する予防治療、すなわち抗凝固療法が挙げられる。とくに、抗凝固療法は、心血管イベントの抑制だけでなく、生命予後を改善する治療であり、適切な実施が必須である。従来はワルファリンが有効薬として認識されていたが、抗トロンビン薬、Xa阻害薬の有効性が確認され、心房細動に対する抗凝固療法は新しい時代を迎えている。本セミナーでは、新しい抗凝固療法を中心に心房細動治療のアップデートを概説する。

ミニレクチャー3.
非小細胞肺癌の薬物療法
札幌医科大学呼吸器・アレルギー内科学講座 山田 玄

肺癌は本邦における悪性新生物の死因第1位である。臨床病期と全身状態から治療選択がなされ、術後病期ⅠB以上、手術不適応および再発症例では化学療法の適応になる。以前は抗癌剤に対する治療反応性の違いから小細胞肺癌と非小細胞肺癌の鑑別が重視されていたが、近年は分子標的治療の導入に伴い、さらに扁平上皮癌と非扁平上皮癌の鑑別が重視されるようになった。遺伝子情報に基づいた個別化医療に向かう非小細肺癌の薬物療法を中心に概説する。

ミニレクチャー 4.
非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLDの最新知見
旭川医科大学臨床消化器・肝臓学診療連携講座 大竹 孝明

ほとんどの脂肪肝は常習飲酒によるアルコール性か肥満・代謝異常を背景に発症してくる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の何れかである。ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス療法の急速な進歩に伴って、今後さらに肝硬変・肝癌の原因に占める非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の比率は増加することから、日常診療においてはNASH患者をうまくマネージメントし、ケアすることが重要である。しかし、その診断およびハイリスク群の予測は容易ではない。本講演では内科実地診療に役立つNAFLD/NASHの病理、疫学、病態メカニズム、診断、治療の最新知見をレビューする。

ミニレクチャー 5.
認知症の鑑別診断;治療可能な認知機能障害を見逃さない
北海道大学大学院医学研究科神経病態学講座神経内科学分野
矢部 一郎

認知症の有病率は増加傾向にあり、その患者数は2012年時点で約460万人に達し、85歳以上の5人に2人が認知症という現状にある。認知機能障害を呈する代表的疾患として、アルツハイマー型認知症、レヴィー小体型認知症、前頭側頭型認知症などの神経変性により発症する認知症があげられる。これらの神経変性疾患に対する研究は着実に進歩しているが、まだ根治療法が確立していない。その一方で、治療可能な認知機能障害を呈する疾患も少なくない。日常診療のなかで実践できる、これらの鑑別診断について概説する。

開催日 2014年2月8日(土) 15時55分~17時25分
会場 北海道大学臨床大講堂
世話人代表 札幌医科大学 山本 和利(内科専門医部会北海道支部部会会長)
企画担当 西岡病院 織田 一昭(内科専門医部会北海道支部部会幹事長)
司会 札幌共立五輪橋病院 古川 勝久(支部部会副会長)
テーマ
診断治療に苦慮した症例を検証する
内容
日常診療で診断・治療に苦慮した疾患を提示し、鑑別診断等、参加者も加わって再度検証する。

症例提示1:JR札幌病院 土田 哲人

「心臓サルコイドーシス治療中に意識障害をきたした1例」

64歳、女性。心臓サルコイドーシスに対しプレドニン維持量使用中、急に不穏・意識障害出現。VT、p-Afによる脳梗塞の既往あり。ステロイドの副作用・精神症状、脳梗塞再発、神経サルコイドーシスの合併等を疑うも否定的。発熱、感冒様症状なく、CRP
(-)。→結果として、クリプトコッカス髄膜炎(肺炎が初発感染)。ステロイド使用中のため、炎症所見がマスクされ診断に難渋した一例であった。

症例提示2:札幌医科大学 若林 崇雄、松浦 武志

「諸検査成績から寒冷凝集素症の診断に至った1症例」

74歳、女性。2年以上続く慢性の貧血あり。様々な精査の結果「寒冷凝集素症」と診断した。発表は貧血に対する基本的なアプローチを確認しながら、若林が担当する。プライマリ・ケアにおける貧血診断の総論的内容にしたい。 

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