病歴要約作成の手引き
- 書式・作成サンプルは「
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- 誤字脱字が目立つ・個人情報への配慮が全く欠けている場合は、不適切な病歴要約として不合格となることがあります。
作成にあたっては十分ご注意ください
- 記述様式
- 新医師臨床研修制度の経験目標に沿って,POS(Problem Oriented System)方式の病歴要約作成を推奨するが,様式の違いが評価に影響することはない.疾患への適切なアプローチや治療,担当医の患者への取り組みの態度や考察などが読み取れることが重要である.
但し,病歴要約はいずれの様式を選択する場合においても,全て同じ様式に統一して作成すること.
- 作成方法
- すべてワープロで作成すること.
文字の大きさは明朝体11ポイント程度とし,適正な行間で記載すること.
用紙はA4を2枚並べたA3サイズ1枚とする.
なるべく余白を残さぬよう,十分な情報を記載すること.
- 病歴要約
- その内容を端的に表したタイトルを記載すること.
【例】
“緑膿菌肺炎で入院し感染症との鑑別に苦慮したANCA関連血管炎の1例”
- 患者情報(ID,年齢,性別),提出分野名,医療機関名,入・退院日,受持期間,転帰,フォローアップを記載する
- 患者を特定できるような氏名,イニシアル,生年月日,居住地は記載しない.
患者IDは照合のため施設のIDとするが,施設で責任をもって管理する限りにおいては連結可能な独自のIDを用いても構わない.
- 確定診断名(略語は用いない):
- 入院中の重症度・重要性に従い主病名を1に記載する.
2以下に副病名,合併症を主要なものに限り記載する.
提出分野病名には丸印を付けるなど判るようにすること.
- 病歴:
- 提出分野病名を中心として記載する.
その他の主・副病名や合併症などすべての病気の経緯も簡潔に言及する.
既往歴,家族歴,生活歴等は全てを記載する必要はない.
プロフィールや職業が重要な場合は記載する.
- 入院時現症:
- 不必要なものは減らして,要領よくまとめる.
- 検査所見:
- ルーチンを記載するがすべてを羅列することはしない(一般には肝機能正常という表現でも良い).しかし,その疾患で異常になりうるデータ,注目すべき正常値,特殊検査はきちんと記載(例えばLDH等が重視される血液疾患等ではその検査値を記載)する.
一般的な略語は使用してよい.
- 画像診断:
- 経過図,検査等一覧表は必要に応じて挿入してよいが,それが症例の理解に役立ち,明瞭に読み取れるものに限る.
- プロブレムリスト:
- プロブレムリストに挙げられるプロブレムとは,診断名ではなく患者を診察していく上で問題となる項目のリストである.従って,初診時に得られる,問診での問題点,臨床症状,診察所見,検査値の異常などからリストアップされるべきものである.
予め診断がついている項目(病名)も,主病名として取り扱った疾患と関連のある場合はプロブレムとして挙げても良い.
- 入院後経過:
- 特殊検査等を含む診断とその根拠,治療および転帰について記載する.
プロブレムリストに沿った記載方式が望ましいが必須ではない.
- 退院時処方:
- 薬剤名は原則として一般名で記載するが,一般名の後に括弧内に商品名を記載してもよい.
- 考察:
- 提出分野病名を中心にその重症度,特異性,その他の主・副病名との関連などについて言及し,診断の妥当性,治療法選択における是非を簡潔に議論する.
【入院後経過】と【考察】はそれぞれプロブレム,病名毎に独立して記載するか,あるいは併せて記載するか,いずれの様式でも構わない.
- 文献:
- EBMを重視し,症例報告,レビューなど症例に適した引用文献を適宜記載する.
引用形式は(JAMA 1997;278:485)(日内会誌2006;95:564)というようにする.
認定内科医試験においては教科書の引用も可とするが,総合内科専門医試験においては原著論文を引用すること.
- 総合考察:
- 診断・プロブレム毎の考察に止まらず,考察の最後には患者を全人的に捉えた『総合考察』を必ず行う.そこではプロブレム間の考察や社会的・心理的側面についても言及されていることが望ましい.
- それぞれの病歴要約には退院時サマリーのコピー(A3判またはA4判にしたもの)を提出すること
- 退院時サマリーの主治医(担当医・受持医)欄に受験者本人の氏名が記載されていない場合や受験申し込み時と氏名が異なる場合は,担当上司(教育責任者,指導医,施設長等)による証明書を併せて必ず提出すること.
退院時サマリーは該当する病歴要約の後ろ(左上)にホッチキスで添付すること.
※受験者本人の名前が分かるように該当箇所を蛍光ペンで塗る
※患者ID以外の患者個人情報は絶対に読み取れない状態にする
→参照:『患者個人情報の取り扱いについて』
- 必ず教育病院または教育関連病院の教育責任者に提示し,所定欄に署名,捺印をもらうこと.
- 教育責任者の署名,捺印は原則としてその症例を受け持った病院の教育責任者とするが,現在勤務している病院が本会の認定施設の場合は,現在の教育責任者にもらってもよい.
なお,教育責任者名はゴム印やワープロ印字による記名でも可とする.
確認印を押印する人
教育施設一覧
- 大学病院
―自分が所属している内科学講座の教授(教授のポストが空席であれば准教授でもよい)
- 認定医制度教育病院
―本会に登録されている教育責任者(病院長とは限らない)
- 認定医制度教育関連病院
―本会に登録されている教育責任者(病院長とは限らない)
確認印を押印する方へのお願い
- 確認印を押印される方は,病歴要約の提出者が確実にその期間,記載された研修施設で研修をしていたこと,および提出された症例の主治医であった点をまず確認してください.
誤記がある場合は調査の対象になります.
故意に事実と異なる記述をした場合,受験者は不合格になります.
- 病歴要約の記述が本作成の手引きに従っているかを確認してください.内容はもとより項目の脱落も減点対象です.
- タイプミス,誤変換も減点の対象になります.正確に記述がなされているかの確認もお願いします.
- 内容については,確定診断名の正確性,診断に至る経緯,入院後経過,総合考察などよくお読みいただき,的確に症例を把握し診療したかをご確認ください.
評価方法
- 提出症例全体のグローバル評価(A,B,C,F)で採点する.
- グローバル評価で不合格(F)となった例については複数の審査委員による二次審査を行う.
二次審査では再度個々の症例における評価を行い,資格認定試験委員会の判定で最終評価を決定する.
- 評価項目,評価方法,合格基準について事前に受験者に公開する.
- 試験終了後,病歴要約評価結果を受験者に通知する.
評価項目および評価方法
病歴要約見本でいくつかの記述様式のバージョンを示している通り,記述様式の違いを評価することはない.
様式の違いはあれ,疾患への適切なアプローチや治療,担当医の患者への取り組みの態度や考察などが読み取れることが重要である.
評価の項目および比率は次の通りである.
- 1.基本的記載(評価の比率:20/100)
- パソコン,ワープロで作成すること
基本的項目(年齢や性別,入院日,退院日,転帰等,病歴要約見本にある規定の項目)の記載がなされていない,多くの誤字,脱字や文章表現の誤りがある,検査データ等の転記ミス(他症例のデータを誤ってコピーした場合等)がある,病歴要約複数枚に教育責任者の捺印が漏れている,手術記録や剖検報告書に患者IDが記載されていない,剖検報告書の主治医欄に受験者の氏名が記載されてなく,なおかつ教育責任者による証明書も添付されていない等,医学的不整合性基本的誤りまたは不備がある.(問題の大きい場合は二次審査に回し個別評価)
- 2.症例選択の適切さとバランス(評価の比率:10/100)
- 入院から退院まで通して担当した症例が望ましい.
原則として,主病名として診療したものを選択するが,他に適切な症例がない場合は,合併症の中から選び,それを中心に記載,考察しても構わない.
- 3.診断名は適切か(評価の比率:10/100)
- 省略せずに記載する.
- 4.病歴,入院時現症,検査等は適切か(評価の比率:20/100)
- 5.入院後経過の記載は適切か(評価の比率:20/100)
- 6.考察(評価の比率:20/100)
- 対象分野に的が当たっており,EBMに基づき文献なども含めて適切に記載されているか.
- 7.個人情報の消去:
- 患者個人情報(氏名・生年月日・住所・連絡先等)は判読できないように完全に消去しておくこと
これら7つの評価項目を以って,グローバル評価A,B,Cを合格とする .
次のような例は不合格(F)評価と見なされる:
- 評価項目で合格基準に達していない.
- 他人が作成した要約を転載した.
- 実際に受け持っていない患者について病歴要約を作成した.
- 個人情報への配慮が全く欠けている