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病歴要約作成の手引き 2017

病歴要約作成の手引き

書式・作成サンプルについては以下よりダウンロードしてください.

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 病歴要約作成の手引き

1. 記述様式は、新医師臨床研修制度の経験目標に沿って、POS(Problem Oriented System)方式の病歴要約作成を推奨しますが、様式の違いが評価に影響することはありません.疾患への適切なアプローチや治療、担当医としての患者への取り組みの態度や考察などが読み取れることが重要です.
 ※病歴要約は ①プロブレム毎に叙述する様式、②経時的に叙述する様式、③入院後経過を確定診断毎に叙述する様式、のいずれの様式を選択する場合においても、全て同じ様式に統一して作成してください.なお、2018年(平成30年)度の試験からは、様式はPOS方式のみとなります.

 

2. すべてパソコンで作成してください.文字の大きさは明朝体11ポイント程度とし、適正な行間で記載してください.用紙はA 3 サイズ1 枚とする.
 ※余白を残さぬよう、十分な情報を記載してください.
 ※誤字・脱字などが目立つ場合は不適切な病歴要約として不合格となります.教育責任者から署名・捺印をもらう前に必ず見直しをしてください.

 

3. 病歴要約には、その内容を端的に表したタイトルを記載してください.
 例:“緑膿菌肺炎で入院し感染症との鑑別に苦慮したANCA 関連血管炎の一例”.

 

4. 患者情報(ID、年齢、性別)、提出分野名、医療機関名、入・退院日、受持期間、転帰、フォローアップを記載してください.患者を特定できるような氏名、イニシアル、生年月日、居住地は記載しないでください.
 ※患者IDは照合のため施設のIDとしますが、施設で責任を持って管理する限りにおいては連結可能な独自のID を用いても構いません.

 

5. 確定診断名(※略語は不可):入院中の重症度・重要性に従い、主病名を1に記載してください.2以下に副病名、合併症を主要なものに限り記載してください.
 ※提出分野病名には丸印を付けるなど判るようにしてください.

 

6. 病歴:提出分野病名を中心として記載してください.その他の主・副病名や合併症などすべての病気の経緯も簡潔に言及してください.既往歴、家族歴、生活歴等は全てを記載する必要はありません.プロフィールや職業が重要な場合は記載してください.
 ※患者個人情報に繋がる紹介元(先)病院(医師)名の記載は避けてください.(「近医」などと記載すること)

 

7. 入院時現症:不必要なものは減らして、要領よくまとめてください.

 

8. 検査所見:ルーチンの記載については、すべてを羅列する必要はありません(一般的には肝機能正常という表現でも良い).しかし、その疾患で異常になり得るデータ、注目すべき正常値、特殊検査は然るべく記載(例えばLD等が重視される血液疾患等ではその検査値を記載)してください. ※一般的な略号は使用して構いません.

 

9. 画像診断:経過図、検査等一覧表は必要に応じて挿入して構いませんが、それが症例の理解に役立ち、明瞭に読み取れるものに限ります.

 

10. プロブレムリスト:プロブレムリストに挙げられるプロブレムとは、診断名ではなく患者を診察していく上で問題となる項目のリストです.従って、初診時に得られる、医療面接での問題点、臨床症状、診察所見、検査値の異常などからリストアップされるべきものです.予め診断がついている項目(病名)も、主病名として取り扱った疾患と関連のある場合はプロブレムとして挙げても構いません.

 

11. 入院後経過:特殊検査等を含む診断とその根拠、治療および転帰について記載してください.プロブレムリストに沿った記載方式が望ましいですが,必須ではありません.

 

12. 退院時処方:薬剤名は一般名で記載するようになります.なお、一般名の後に括弧書きで商品名を記載しても構いません.

 

13. 考察:提出分野病名を中心にその重症度、特異性、その他の主・副病名との関連などについて言及し、診断の妥当性、治療法選択における是非を簡潔に議論してください.【入院後経過】と【考察】はそれぞれプロブレム、病名毎に独立して記載するか、あるいは併せて記載するか、いずれの様式でも構いません.

 

14. 文献:EBMを重視し、症例報告、レビューなど、症例に適した引用文献を適宜記載してください.引用形式は(Abe S.JAMA 1997;278:485)(工藤翔二.日内会誌 2006;95:564)などとなります.
認定内科医試験においては教科書からの引用も可とします.総合内科専門医試験においては原著論文を引用してください.
 ※全国の図書館で閲覧できるような公的機関の医学雑誌ないしは学術図書に掲載されたものからの引用に限ります.
 ※教科書からの引用形式:(表題、発行年、頁、出版社名)
 ※web媒体からの引用について:「Up To Date」等医療情報源や各学会、厚生科学研究班等から出されたガイドライン等、出典がオーソライズされたものとする. 引用形式:例(●●学会編:●●ガイドライン.●●学会HP)

 

15. 総合考察:診断・プロブレム毎の考察に止まらず、考察の最後は患者を全人的に捉えた『総合考察』を必ず行ってください.
 ※プロブレム間の考察や社会的・心理的側面についても言及されていることが望ましい.

 

16. 教育責任者の署名・捺印:原則として当該症例を受け持った病院の教育責任者からもらってください.但し、出願時に勤務している病院が本会認定教育施設であり、その教育責任者が他病院の症例についても確認の上、責任を持って署名・捺印することをご承諾されるならば、出願時に勤務している病院でもらうことも可です.なお、教育責任者名はパソコンによる記名でも可です.
 ※教育病院(大学病院含む)における内科後期臨床研修プログラムの一環として認定されていない病院へ派遣され、内科臨床研修をした際に受け持った症例を提出する場合、病歴要約への署名・捺印については、①および②の2人からもらってください.
  ①当該症例を受け持った、認定されていない病院の病院長
  ②派遣元である教育病院(大学病院含む)の教育責任者

 

 教育責任者とは

 大学病院の場合

・ 自分が勤務(所属)している内科学講座の教授(教授のポストが空席であれば准教授でもよい)

 教育病院または教育関連病院の場合 認定教育施設一覧

・ 本会に登録されている教育責任者

 

 教育責任者に確認してもらう事項

1.病歴要約の提出者(=受験者)が確実にその期間,記載された研修施設で研修をしていたか.
2.提出された症例の主治医(担当医・受持医)であったか.
 ※誤記がある場合は調査の対象になります.
 ※故意に事実と異なる記述をした場合,受験者は不合格になります.
3.病歴要約の記述が本作成の手引きに従い,正確に記述がなされているか.
 ※内容はもとより項目の脱落も減点対象です.
 ※タイプミス,誤変換も減点の対象になります.
 ※患者個人情報への配慮が著しく欠けている場合は不合格になります.
4.確定診断名の正確性,診断に至る経緯,入院後経過,総合考察など,的確に症例を把握し診療したか

 

 評価方法

1.提出症例全体のグローバル評価(A、B、C、F)で採点する.
  ※A:優れている、B:平均的、C:合格基準を満たしている、F:不合格
2.グローバル評価で不合格(F)となったものについては、複数の評価委員による二次評価を行う.
  二次評価では、再度個々の症例における評価を行い、資格認定試験委員会の判定で最終評価を決定する.
3.試験終了後、病歴要約評価結果を受験者に通知する.

 

 評価項目

 1. 基本的記載

・ 病歴要約の記述が本作成の手引きに従っているか.(項目は脱落していないか)
  ※記述項目や記述順,あるいは参考文献の引用,さらには略号の使用などには「病歴要約作成の手引き」に示されているように一定の取り決めがあります.これらに逸脱する場合も減点対象となります.
 ・ 記載に際して、誤字・脱字、検査データ等の転記ミス、単位の間違い,文章表現の誤りなどはないか.
  ※ 文字の誤変換,誤字・脱字,スペルミスなどのケアレスミスは第三者に評価を受けようとする受験者の姿勢としても問題であり,減点対象になります.
 ・ 医学的不整合性、基本的誤りまたは不備などはないか.
 ・ 患者個人情報(氏名・生年月日・住所・連絡先等)や紹介元(先)病院(医師)名を消去しているか.

 2. 症例選択の適切さとバランス

・ 提出分野の主病名であるか.
 ・ 副病名であるが、提出分野の記載として妥当であるか.

 3. 診断プロセスは適切か

・ 現病歴に関する聴取は陰性所見も含めて十分記載されているか.
 ・ 経過、身体診察の記載は充分であるか.
 ・ 診断に必要な検査の記載は充分であるか.
 ・ 診断に必要な画像所見の記載は充分であるか.
 ・ 鑑別診断については十分記載されているか.
 ・ 診断名が適切であるか.(十分な科学的根拠が提示されて,それに基づいた適切な診断病名が記載されているか)

 4. 治療法は適切か

・ 治療薬は一般名で記載しているか.(商品名は認めない)
 ・ 診断名に対して適切な治療法であるか.
 ・ 入院後の経過が正しく記載されているか.
 ・ 主病名の治療について記載が充分であるか.
 ・ 全体的な流れとして妥当な治療か.

 5. 十分に考察されているか

・ EBM(診断と治療の根拠)を重視しているか.
 ・ 適切な文献を引用しているか.
 ・ 考察の長さは妥当であり、且つ、論理的であるか.

 6. 倫理的妥当性(倫理的配慮)

・ 患者の人権を尊重しているか.
 ・ 患者の事情、希望に配慮しているか.
 ・ 患者の社会的・心理的背景を考慮しているか.
 ・ 患者を全人的視野で診療しているか.

これら6つの評価項目を以って,グローバル評価A,B,Cを合格とする .

次のような例はF(不合格)評価と見なされる.
・ 評価項目で合格基準に達していない.
・ 他人が作成した病歴要約を転載した.
・ 実際に受け持っていない患者について病歴要約を作成した.
・ 患者個人情報への配慮が著しく欠けている.

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