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腎臓

入院後経過と考察

#1. 大量タンパク尿,血清アルブミン3.0 g/dL以下の低タンパク血症,全身の浮腫および高コレステロール血症(250 mg/dL以上)をきたしており,ネフローゼ症候群と診断した.3月11日よりソル・メドロール500 mg/日の投与を3日間施行し,以後プレドニン40 mg/日にて加療した.
(– 略 –)

入院後経過と考察

#1. 大量タンパク尿,血清アルブミン3.0 g/dL以下の低タンパク血症,全身の浮腫および高コレステロール血症(250 mg/dL以上)をきたしており,ネフローゼ症候群と診断した.①若年発症,②急激なネフローゼ,③タンパク尿主体(血尿はない),④アレルギー疾患の既往,⑤尿タンパクの高選択性から微小変化型を検査前確率80~90%で考えた.腎生検の感度,特異度は90%,90%であり,腎生検を行う前に3月11日よりコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム 500 mg/日の投与を3日間施行し,以後プレドニゾロン 40 mg/日にて加療した.
(– 略 –)

修正ポイント

◆微小変化型ネフローゼ症候群とした根拠の記載が不足している.

神経

プロブレムリスト

#1.左中大脳動脈塞栓症

プロブレムリスト

#1.左中大脳動脈塞栓症
#2.運動性失語、#3.右上下肢不全麻痺、#4.(慢性)心房細動

入院後経過と考察

#1.左中大脳動脈塞栓症
(– 略 –)

入院後経過と考察

#1.左中大脳動脈塞栓症(右上下肢不全麻痺+運動性失語)
(– 略 –)

修正ポイント

◆塞栓症の原因の心房細動が記載されていない

膠原病

入院後経過と考察

#1.入院後,AOSDやHPSを疑い,精査開始.明らかな熱源が認められず,悪性腫瘍もなく,抗菌薬反応もないことを確認した上でステロイドを導入.(経過中にマルクを施行したところ血球の貪食像を認めたが,採血上は血球の減少を認めず.反映はしていないだけで高サイトカイン血症によるものと判断)11/10からプレドニゾロン 40 mgでの加療を開始したが,経過中に発熱を認め,ステロイド不足も疑われたため11/16からプレドニゾロン 60 mgに増量し分割投与.60 mgまで増量したが,CRPは高く,カンファレンスで相談した結果,シクロスポリンを導入することとなる.11/21からシクロスポリン 100 mg/dayでの加療を開始したが,血中濃度の上昇が思わしくなかったため,シクロスポリン 150 mg/dayに増量.血中濃度を確認しつつ調整をしたところ発熱,炎症反応の改善を認めたため,徐々にプレドニゾロンを減量.その後もプレドニゾロンを減量していき,プレドニゾロン 35 mgとシクロスポリン 150 mgで退院となった.
(– 略 –)

入院後経過と考察

#1. 山口の分類基準のうち,大項目3つ(発熱,関節痛,定型的な皮疹),小項目2つ(肝機能障害,リウマトイド因子陰性と抗核抗体陰性)と5項目を満たした.フェリチンも11,659 ng/mLと著増していた.白血球増加は認めなかったが,血球貪食症候群の影響で,みかけ上,正常値になっていると判断した.除外項目の①感染症,②悪性腫瘍,③膠原病に関しては,①画像検査において細菌感染を疑わせる所見は得られず,血液培養も陰性,抗菌薬も無効であったことから細菌感染は否定的であった.真菌感染に関しては画像所見の異常は認められず,β-D-グルカンも陰性であることから否定的であった.ウイルス感染に関しては,血球貪食症候群を伴っていることからウイルス関連血球貪食症候群も鑑別に挙げ,各種ウイルス抗体価を検討したが,いずれも陰性あるいは既感染パターンであった.②悪性腫瘍は,CTで腫瘍を疑う所見は認めなかった.上部・下部消化管内視鏡においても異常所見はなかった.③膠原病は,血管炎とSLEを中心に鑑別をした.血管炎に関しては,ANCAが陰性で,血管炎を疑わせる臓器病変も認めないことからANCA関連血管炎は否定的であった.大動脈炎を疑わせるような画像所見の異常も認めなかった.SLEは抗核抗体陰性であり,分類基準も満たさなかった.以上より成人Still病と診断した.
(– 略 –)

修正ポイント

◆診断名は適切であるが,十分な科学的な根拠が提示されていない

病歴要約の修正例

・循環器症例 ・腎臓症例 ・神経症例 ・血液症例 ・膠原病症例

病歴要約サンプル

・病院外来症例 ・診療所外来症例 ・地域医療症例(二例)