beaf_03
腎臓

入院後経過と考察

#1. 大量タンパク尿,血清アルブミン3.0 g/dL以下の低タンパク血症,全身の浮腫および高コレステロール血症(250 mg/dL以上)をきたしており,ネフローゼ症候群と診断した.3月11日よりソル・メドロール500 mg/日の投与を3日間施行し,以後プレドニン40 mg/日にて加療した.浮腫に対してラシックスを慎重に投与していたが,3月16日より呼吸苦が出現し,胸部X-P上で胸水を認めた.酸素投与,ラシックス増量にて尿量を確保し,症状は改善した.タンパク尿は第11病日に1.67 g/日と著明に減少し,第16病日には0.06 g/日と陰性化した.4月7日よりプレドニン30 mgへ減量したが再燃なく,4月14日より20 mgへ減量した.タンパク尿・浮腫の再発はなく,4月19日退院とした.

入院後経過と考察

#1. 大量タンパク尿,血清アルブミン3.0 g/dL以下の低タンパク血症,全身の浮腫および高コレステロール血症(250 mg/dL以上)をきたしており,ネフローゼ症候群と診断した.①若年発症,②急激なネフローゼ,③タンパク尿主体(血尿はない),④アレルギー疾患の既往,⑤尿タンパクの高選択性から微小変化型を検査前確率80~90%で考えた.腎生検の感度,特異度は90%,90%であり,腎生検を行う前に3月11日よりコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム 500 mg/日の投与を3日間施行し,以後プレドニゾロン 40 mg/日にて加療した.浮腫に対してフロセミドを慎重に投与していたが,3月16日より呼吸苦が出現し,胸部X線写真上で胸水を認めた.原因としてメチルプレドニゾロンの大量投与による塩分貯留と判断し,酸素投与,フロセミド増量にて尿量を確保し,症状は改善した.タンパク尿は第11病日に1.67 g/日と著明に減少し,第16病日には0.06 g/日と陰性化した.この間に,血漿フィブリノゲン 971 mg/dL,血清FDP 3.71μg/mL,アンチトロンビンⅢ 29%であり,過凝固状態と判断して血栓症防止のためワルファリンを使用した.4月7日よりプレドニゾロン 30 mgへ減量したが再燃なく,就学希望もあり4月14日より20 mgへ減量した.タンパク尿・浮腫の再発はなく,4月19日退院とした.

修正ポイント

◆ステロイド治療を開始したことは妥当であるが,抗凝固療法を開始している理由の記載がない.

膠原病

入院後経過と考察

(– 略 –)
#2.血球の貪食像を認めた.病態としては高サイトカイン血症によるものが疑われた.FDPの上昇,フィブリノーゲンの低下も認められ,DICの合併も疑われ,原疾患のAOSDの加療としてのステロイドの導入を急ぐことで対応とした.

入院後経過と考察

(– 略 –)
#2. 自己免疫関連血球貪食症候群の診断基準である熊倉の診断基準において,血球減少(血小板 8.9万/μL,白血球は入院後9,700/μLから3,700/μLへ低下),骨髄検査にて血球貪食像を認め,成人Still病は活動期であり,基本項目を満たした.11月10日よりプレドニゾロン〈PSL〉40 mg/dayを開始したが,CRP 11.0 mg/dLと高値が続いたため,11月16日よりPSL 60 mg/dayに増量した.しかし,CRPの高値は続き,11月21日の検査においてフェリチンの増加(33,696 ng/mL)も続いた.また,フィブリノゲンの低下(150 mg/dL),FDPの増加(30μg/mL)も認め,DIC傾向と判断をした.成人Still病のコントロール不良を考え,同日シクロスポリン〈CyA〉100 mg/dayを開始した.その後,150 mg/dayまで増量し,血中濃度を120~140 ng/mLで維持した.これにより炎症反応,DIC傾向は改善した.PSL 35 mgまで減量し,再燃がないことを確認し退院となった.

⇒3. 5), 3. 6) もご覧ください。

修正ポイント

◆具体的な記述が乏しい.事実と意見が混在している.文章が稚拙である

病歴要約の修正例

・循環器症例 ・腎臓症例 ・神経症例 ・血液症例 ・膠原病症例