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腎臓

入院後経過と考察

(– 略 –)
4月7日よりプレドニン30 mgへ減量したが再燃なく,4月14日より20 mgへ減量した.
(– 略 –)

入院後経過と考察

(– 略 –)
4月7日よりプレドニゾロン 30 mgへ減量したが再燃なく,就学希望もあり4月14日より20 mgへ減量した.
(– 略 –)

総合考察

(– 略 –)
本疾患は,一般的にステロイド薬が著効し予後良好とされているが,一方で再発を繰り返しやすく,多くの患者が若年者であることから,結果としてステロイド長期大量投与による副作用が問題となる危険性がある.外来診療にてきめこまやかな対応が必要であり,再発を予防するためには食事指導,服薬指導,生活指導などの患者教育がきわめて重要である.

総合考察

(– 略 –)
本症例は,血栓症防止のためワルファリンを使用した.微小変化型ネフローゼはステロイド薬が著効し予後良好とされているが,一方で再発を繰り返しやすいので,患者家族にステロイド薬の減量法,突然の中止による再発,副腎不全などについても説明した.また,ステロイド薬による骨病変の防止と投薬,医療補助制度についても説明した.

修正ポイント

◆患者の記載が不足気味。
◆「外来診療にてきめ細やかな対応が必要であり,再発を予防するためには食事指導,服薬指導,生活指導などの患者教育が極めて重要である.」と書いてはいるが,何をどのように指導するのか具体性に乏しい.
◆アレンドロン酸ナトリウム水和物 5 mg/日を使用している理由についても記載がない.

血液

総合考察

びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対してR-CHOP療法を行った症例である.CHOP療法よりリツキサン追加療法の方が3年増悪生存率,3年総生存率が有意に高いと示されている.(PfreundschuhM(2006).“CHOP-like chemotherapy plus rituximab versus CHOP-like chemotherapy alone in young patients with good-prognosis diffuse-B-cell lymphoma:a randomised controlled trial by the MabThera International Trial(MinT) Group”.Lancet Oncol.7(5):379-91.
本症例でもリツキサンを追加して化学療法を行った.

総合考察

 
(– 略 –)
二人の子供を持つ専業主婦であり,今回の入院中,家事,子育てなどの問題が生じたことから,日常生活を行いながらの治療継続を希望されている.今後,G-CSFの二次予防投与が必要と考えられ,自宅がやや遠方であることからも,通院数を減らすことができるペグフィルグラスチム投与を考慮していいと考える.

修正ポイント

◆不十分であり、且つ論理的と言えない.『総合考察』が全くなされていない

神経

総合考察

(– 略 –)
脳塞栓は再発することが非常に多いが,この症例のようにCHADS2スコアが3点の場合,年間の脳梗塞発症率は約6%(Gape BF. JAMA 2001;285:2864)とも言われている.そのためワルファリンもしくは新規経口抗凝固薬〈NOAC〉による再発予防が必須である.この症例も今後長期にわたる再発予防策を必要とするが,それ以外の生活習慣(飲酒・喫煙)に対する改善も必要であり,かかりつけ医をきちんと持ってフォローしてもらうように本人及び家人へ説明した.

修正ポイント

◆全人的視野での診療について記載されていない

膠原病

総合考察

成人Still病は,若年性特発性関節炎の全身型(Still病)と同様の病像が成人に発症したものである.1971年,Bywatersにより一つの疾患単位として初めて記載された.高熱,多関節痛および皮疹が特徴的で,その他,肝障害やリンパ節腫脹などの臓器病変を伴う原因不明の全身炎症疾患である.重症となるとHPSを合併することがある.発症は20~40歳代の比較的若年成人に多い.これまでのところ明確な証拠や特定できる病原体は明らかにされていない.免疫学的機序が関与していると考えられているが,現在のところ,関連した自己抗体や自己反応性リンパ球は同定されていない.リウマトイド因子や抗核抗体は陰性である.本疾患の病態形成に重要な役割を演じているのは,炎症性サイトカインであると考えられている.従来から報告のある血清中のインターフェロン-γ,インターロイキン-6,TNF-α,マクロファージ―コロニー刺激因子,IL-8等の増加に加え,最近では特にIL-18は産生の著名な亢進が注目されている.IL-18は活性化マクロファージによって産生され,他の炎症サイトカインを誘導することからAOSDの病態形成に最も中心的な役割をなすサイトカインであると考えられている.また,本疾患の血清中に著増するフェリチンの産生細胞もマクロファージや組織球である.これらのことから,本疾患の特徴的な症状や病態形成に主役を演ずるのは活性化マクロファージ,およびそれにより産生されるサイトカインであると考えられる.治療としては軽症例ではNSAIDsのみで軽快することもあるが,通常ステロイド投与が必要となることが多く,ステロイドの減量が困難な場合,ステロイド抵抗性の場合には免疫抑制剤が考慮される.本症例にはシクロスポリンを使った.妊娠希望であったが,シクロスポリン導入の際には妊娠が困難となる旨(奇形児の発生リスク上昇)を説明し,泣く泣くではあるが同意を得られた.

総合考察

 
成人Still病は重症化し,血球貪食症候群やDICを合併することがある.ステロイド大量療法に抵抗する場合,CyA療法(Mitamura M. Mod Rheumatol 2009;19:57)やシクロホスファミド療法を実施する.本症例はCyA療法が奏効した.本症例は妊娠希望であったがCyA療法を行った.CyAは添付文書では妊娠時禁忌となっている.今回の病態を改善できる薬で,妊娠時にも安全に使える他の薬は無いことを説明し,同意を得られた.ただCyAは妊娠中でも使用継続が不可欠である臓器移植後の患者での妊娠・出産の報告は多く,比較的安全であるという意見もある(Bar Oz B.Transplantation 2001;71:1051).日本産科婦人科学会の診療ガイドラインにおいても,CyAは特定の状況下では妊娠中であっても投与が必須かもしくは推奨されるとされている.今後CyAを中止できるかは現時点では不明であるが,しばらく治療をしてみて,妊娠を望むなら,その時点でもう一度主治医と相談するようにと説明をした.

修正ポイント

◆「シクロスポリン導入の際には妊娠が困難となる旨(奇形児の発生リスク上昇)を説明し泣く泣くではあるが同意を得られた」の記述は問題が多い.
◆シクロスポリン 妊娠時に使用に関しては添付文書では禁忌となっているが,色々な意見がある.患者の事情,希望にもう少し配慮すべきである.
◆泣く泣くではあるが,『泣く泣く』は泣きたいほどの辛く悲しくあるいは悔しい気持ちを抱きながらそのことをする様子を表現する副詞である.病歴要約で使うべきでない.

病歴要約の修正例

・循環器症例 ・腎臓症例 ・神経症例 ・血液症例 ・膠原病症例