LEGACY & FUTURE
ことはじめが残したもの・これから
2012年に始まった若手のための企画は、名称や形式を変えながら現在まで続いてきました。 この歩みが残したものは、演題数や受賞者数だけではありません。 若手が自ら発表し、学び、人と出会い、次の一歩へ進むための「場」そのものです。
「ことはじめ」は、紙ポスターからオンライン、PCプレゼンテーションへと形式を変え、 講演中心の企画から参加型・キャリア・交流を含む場へと広がってきました。 一方で、その中心には一貫して、若手が臨床の経験を自らの言葉で発表し、 他者との対話を通じて学ぶという原点があります。
2013年の開催なしを挟みながら、長期にわたり継続。
若手の発表の場として、過去最大規模へ。
プレナリー選出演題を含む白書再集計値。
「ことはじめ」が残した4つのもの
15年間の歩みを通して積み重なってきた価値を、白書全体の記録から4つの視点で整理します。
若手が「発表する」入口
症例や研究をまとめ、人前で発表し、質問を受ける。 「ことはじめ」は、医学生・研修医・専攻医が学術活動へ踏み出す入口として継続してきました。 発表形式が変わっても、この経験は企画の中心であり続けています。
若手を送り出し、育てる文化
一つの演題の背後には、若手を送り出す施設と、発表まで伴走する指導医・共同演者がいます。 13開催連続で演題を送り出した施設や、複数年にわたり優秀演題を支えた指導医の存在は、 継続的な若手育成の積み重ねを示しています。
環境が変わっても、学びを止めない
COVID-19による延期・縮小、完全オンライン、ハイブリッド開催を経ても、 若手の発表機会は形を変えながら受け継がれました。 状況に応じて形式を変えながら、本質を維持したことも「ことはじめ」の重要な遺産です。
人と人がつながる学会経験
Meet企画、討論、実践内科塾、キャリア企画、懇親会。 発表の前後に生まれる対話と出会いが、専門領域や所属施設を越えた新しい視点を生みました。 学会参加を「発表して終わる」経験にしなかったことも大きな特徴です。
原点から現在、そして次へ
企画は変わっても、若手が主役であることは変わりません。
医学生・研修医が集い、発表と討論を通じて内科学の未来を考える場としてスタートしました。
PCプレゼンテーションを核に、内科横断、AI、総合診療、海外医療など、 若手の視野を広げる企画へ発展しています。
若手が発表するだけでなく、問いを立て、議論し、人とつながり、 次の内科学を考える場として進化を続けます。
これからも大切にしたい4つの視点
白書で振り返った歩みを踏まえ、「ことはじめ」が今後も持ち続けたい方向性を整理します。
初めての学術発表を大切にする
発表経験の少ない若手が安心して挑戦できること。 症例を振り返り、言語化し、他者の意見を受けるという学術活動の原点を、 これからも企画の中心に置き続けます。
専門領域を越えて学ぶ
高齢化、多疾患併存、AI・データサイエンスなど、現代医療の課題は一つの専門領域だけでは完結しません。 内科横断的な視点を持ち、他領域から学ぶ機会をさらに広げていくことが重要です。
「聴く人」から「参加する人」へ
公開討論、アナライザー、ディベートなどの歩みが示すように、 参加者自身が考え、答え、意見を交わすことで学びは深まります。 双方向性は今後の「ことはじめ」を考える重要な視点です。
発表の先にあるつながりを育てる
同世代、先輩医師、指導医との出会いは、専門分野やキャリアを考える契機になります。 発表・表彰・交流を一つの経験としてつなぎ、次の挑戦へ結びつける場であり続けます。
第124回日本内科学会講演会においても、 「医学生・研修医・専攻医の内科学 ことはじめ2027」の開催が予定されています。 これまで積み重ねてきた発表・学び・交流の経験を受け継ぎながら、 次の世代にとって意味のある場へと更新を続けていきます。
若手とともに、毎年つくり続けていく場です。
2012年に始まった一つの試みは、多くの若手、指導医、施設、企画に関わった人々によって受け継がれてきました。 この白書は、その歩みを過去の記録として残すだけでなく、 次の「ことはじめ」を考えるための土台としてまとめたものです。 これから参加する若手一人ひとりの発表と出会いが、次の歴史をつくっていきます。
