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第117回日本内科学会総会・講演会 開催にあたって

「第117 回日本内科学会総会・講演会」開催にあたって


第117 回日本内科学会総会・講演会 会長
慶應義塾大学医学部 内科学教室(リウマチ・膠原病)
教授 竹内 勤

「第117 回日本内科学会総会・講演会」開催にあたって

 第117 回日本内科学総会・講演会を,令和2 年(2020 年)4 月10 日(金),11 日(土),12 日(日)の3日間にわたって,東京都千代田区丸の内の「東京国際フォーラム」で開催させていただくことになりました.1903 年の第1 回内科学会総会が,東京高等商業学校において青山胤通教授を会頭として開催されて以来,来年で第117回を迎えることとなりました.
 近年の内科学会の発展はめざましいものがあり,会員数も11 万人を超える我が国最大の医学会です.そのなかで会長を拝命いたしましたことは大変な名誉であり,改てその責任の重さを痛感しております.内科学会の伝統であった会頭という役職名は,第111回以降,会長と変更され,現在に至っております.第117回総会・講演会は,竹内を会長とし,学内の内科学教室7診療科からなる準備委員会を設置し,内科(消化器)の金井隆典教授を事務局長,準備委員会の担当医師の協力をいただき,内科学会学術集会運営委員会のご意見を頂戴しながら準備を進めてまいりました.
 第117回総会・講演会のメインテーマは,「革新と伝統が協奏する内科学」とさせていただきました.平成から令和に元号が変わって初めての内科学会となり,時代も大きく変わろうとしております.1964 年に行われた東京オリンピックが,東京オリンピック・パラリンピックとして56年ぶりに再び東京にやってくる記念すべき年でもあります.
 この半世紀の内科学の飛躍的進歩はめざましいものがあります.私が専門とするリウマチ・膠原病領域の例を挙げるならば,ステロイド薬や非ステロイド性抗炎症薬,メトトレキサート等による治療の時代を経て,病態解析から得られた情報に基づいて創出された生物学的製剤や標的合成抗リウマチ薬が臨床現場に導入され,治療指針の一翼を担う新時代を迎えています.しかし,どれほど優れた革新的な診断法,治療法,治療薬が現れたとしても,それによって伝統的な考え方や治療が姿を消したわけではありません.革新と伝統は,それぞれの長所を活かしながら,両輪の和となって発展を遂げているように感じられます.このような背景から,総会・講演会のメインテーマは,「革新と伝統が協奏する内科学」とさせていただきました.第117回総会・講演会のポスターには,東京タワーと東京スカイツリーが互いに礼をして向き合って屹立し,革新的な東京と伝統的な江戸の街の姿が描かれています(ポスターをご参照ください).
 プログラムは,学術集会運営委員会によって検討されてまいりました.私の専門分野である免疫・炎症学や分子標的治療にもご配慮いただいた素晴らしい企画を立案していただきました.招請講演5題では,最新のトピックスから,日常診療における課題解決に向けた話題まで広範な内容を盛り込んでいただきました.革新的なAI技術や遺伝子解析技術等テクノロジーの進歩がいかに医学・医療分野に応用されようとしているか,「AIを活用した内視鏡研究の動向と今後の展望」,「がんゲノム医療の未来」で講演いただきます.また,最新の治療戦略やガイドラインに関する講演として,「心不全の病態解明と治療開発の進歩」,「CKD対策における診療ガイドラインの戦略的意義」,そして,内科診療で日常よく遭遇する睡眠障害がいかに内科疾患の管理で重要なのかを「内科疾患における睡眠障害の重要性」で解説いただきます.シンポジウムは3 題,「難治性免疫疾患治療の最前線」,「薬剤起因性障害の病態と治療戦略」,「血管性障害と内科疾患」がテーマです.最新の基礎的・臨床的研究成果が発表され,熱い議論が展開されることを期待しています.
 特別講演は,向井千秋さんにお願いいたしました.今から振り返ると信じられないことですが,女性医師で我が国初の宇宙飛行士という,大変貴重な体験をもとに,「チャレンジ精神と医学」をテーマとして,若手医師や研究者にエールを送っていただくようお願いいたしました.
 ロンドン・ビジネス・スクールのリンダ・グラットン教授らが提唱された人生100年時代を受け,社会の全ての領域で人生100 年を踏まえた意識改革が迫られるなか,内科学の担う役割はますます大きくなると感じています.パネルディスカッションでは,「超高齢社会と歩む内科学」をテーマに,国立長寿医療研究センターの荒井秀典教授とフリーアナウンサーの渡辺真理さんに司会をお願いいたしました.
行政代表として,厚生労働省医務技監の鈴木康裕先生,大学から慶應義塾大学の伊藤裕教授,地域医療の現場から新横浜在宅クリニックの城谷典保先生,最後に日本医師会の横倉義武会長に講演を頂戴いたします.
 医学生・研修医が発表する「医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ 2020 東京」,米国内科学会(ACP)との共同セッション,男女共同参画企画では「サイエンス・医療の世界で輝く女性達」,そして,市民公開講座では「がん・免疫・アレルギー疾患の克服を目指して」をテーマに開催を予定しております.
 東京オリンピック・パラリンピックの準備に忙しい時期の東京での開催となりますが,新時代とともに変貌を遂げる東京を肌で感じ,革新と伝統が協奏する内科学が活発に議論される現場にお運びいただけることを切に願っております.第117 回内科学会総会・講演会に,多くの内科学会員の皆様がご来場くださいますよう,何卒,宜しくお願い申し上げます.

 

 

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