各領域におけるCOVID-19診療に関わるkey articleの紹介

紹介コメント：　COVID-19症例のSystematic review（29 試験/6064症例）で消化器症状を呈したのは15%で、主には下痢、嘔気・嘔吐、食思不振であり、肝障害は19%(12 試験/1267症例)であった。重症例では消化器症状1.6倍、肝障害2.2倍に増加していた。また、便中のRNA は54%で陽性であった。多数例での解析で消化器症状の出現は稀ではないことが示されている。

紹介コメント：　米国の4,900万人の電子カルテデータからCOVID-19に罹患した2,780例を抽出し，肝疾患の見られる250例とそれ以外の症例をで比較したところ，肝疾患有病例で死亡率が有意に高率であった（HR: 2.8，95%CI: 1.9-4.0）。また，肝硬変症例では死亡リスクがより高かった（HR: 3.0，95%CI: 1.5-6.0）。

紹介コメント：　現在までのコロナウィルスと循環器病に関する論文をまとめてレビューをした。

紹介コメント：　COVID-19感染時には、ステロイド補充療法中の副腎不全患者のみならず、他疾患で3ヶ月以上ステロイド治療中の患者も副腎不全状態にあると暫定的に考え、ストレス下で必要な生理量のヒドロコルチゾン（HC）投与が必要である。例）37.5℃以上ではステロイドを2倍に増量、38℃以上＋下気道症状ではHC 100mg/日（静注を考慮）に増量、ARDS、血圧低下、副腎クリーゼではHC 200mg/日持続点滴。

紹介コメント：　2020年4月17日までの33論文のメタ解析。糖尿病はCOVID-19罹患リスクは上げないが、重症化・死亡のリスク因子であると結論。

紹介コメント：　 COVID-19 の合併症としての急性腎障害が重大な予後規定因子であることを示した、重要な論文。

紹介コメント：　重症肺炎に対するステロイド治療の是非は、古くから議論されてきた。当初、WHOはCOVID-19肺炎に対して通常臨床でステロイドを使用しないように勧告したが、根拠の論文は限られた研究に基づいており、十分なエビデンスがあるとは言えなかった。本論文は、まだ試験途中の早期の解析で、サブ解析の結果などの限界があるものの、少容量のデキサメサゾンの投与がCOVID-19肺炎の呼吸不全による死亡を減少させた大規模なランダム化比較試験として注目される。

Neurologic manifestations of hospitalized patients with coronavirus disease 2019 in Wuhan, China. Mao L, et al. JAMA Neurol. 2020  doi:10.1001/jamaneurol.2020.1127

紹介コメント：　神経合併症：中国COVID-19入院患者214例の約3分の1が，意識障害，筋障害，脳血管疾患を含む，何らかの神経症状を示し，軽症者に比べて重症者で神経合併症の頻度が高かった。

紹介コメント：　COVID-19患者の14%が喘息とされたが、喘息診断、吸入ステロイド薬 (ICS)使用、ICSへの経口ステロイド併用は、入院リスク増加と関連しなかった。ICSを中心とした通常治療の継続が支持される結果であった。

紹介コメント：　リウマチ性疾患での新型コロナウイルス感染症の特徴を記載したグローバルアライアンスのデータです。（ARD)

紹介コメント：　感染患者から２次感染がどのように生じるのかを検討した論文。２次感染は感染後５日までに生じており、６日以降にはみられていないということが報告されている。

紹介コメント：COVID-19流行前後における高齢者の身体活動についてインターネットを用いて調査した結果、2020年1月に比べて4月の身体活動は約30％減少していた。この減少傾向は，フレイル、プレフレイル、健常いずれの群においても同程度に認められた。今後は身体活動減少による経時的な影響の追跡が重要である。

紹介コメント：　COVID-19パンデミック下では、癌治療を必要度に応じて4つのカテゴリーに分類し、治癒可能で延期できない疾患は治療を行い、一方、不急な処置や治療は延期すべきである。

紹介コメント：　COVID-19における消化器系症状と糞口感染経路の可能性とそのメカニズムを概説。