開催日 | 2017年6月3日(土) 14時30分~16時 |
会場 | 山口大学医学部総合研究棟・S1講義室 宇部市南小串1-1-1 TEL:0836-22-2111(代) |
企画・主催 | 専門医部会中国支部 |
世話人代表 | 山口大学医学部医学科器官病態内科学 矢野 雅文 |
参加方法 | 無料。事前申し込みも不要です。 |
認定更新単位設定 | 参加:2単位 |
プログラム
- テーマ
- 『間質性肺炎と著明な黄疸を認め,多彩な膠原病自己抗体が陽性であった自己免疫疾患の女性例』
- 司会
- 山口大学医学部附属病院第二内科 岡村 誉之
川崎医科大学血液内科 和田 秀穂 - 症例提示
- 山口大学医学部附属病院第二内科 名和田隆司
- コメンテーター(初期研修医)
- 徳山中央病院卒後臨床研修センター 田中 慎二
山口県立総合医療センター卒後臨床研修センター 久岡 雅弘
山口大学医学部附属病院卒後臨床研修センター 堀口 直也 - 解説
- 山口大学医学部附属病院第二内科 久保 誠・大石 景士
山口大学医学部附属病院第一内科 前田 雅喜 - 病理
- 山口大学大学院医学系研究科病理形態学講座 木村 徳宏
- 抄録
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【現病歴】症例:74歳,女性.生来健康であった.2016年3月頃からストレスのために市販の総合感冒薬や漢方薬を乱用するようになった.同時期から全身倦怠感や口渇,発疹などの症状が出現した.6月に前医を受診し,間質性肺炎と肝機能障害を認めたことから,前医入院となった.薬剤性間質性肺炎の疑いでステロイド治療(ヒドロコルチゾン100mg/日×2日間→PSL 40mg/日)を開始したところ,間質性肺炎は改善傾向であったが,肝機能障害は増悪傾向を示し,血小板減少も出現した.抗核抗体が陽性であったことから,自己免疫疾患の疑いで当院に転院となった.
【既往歴】特記事項なし.【アレルギー歴】特記事項なし.
【一般身体所見】身長148.3cm,体重52.6kg,意識清明,体温36.3℃,脈拍76/分(整),血圧129/79mmHg,呼吸回数18回/分,SpO2 97%(室内気),頭頸部:眼球結膜に黄染あり,鼻唇溝を超えない蝶型紅斑を認めた.胸部:心音を呼吸音に異常なし.四肢:皮膚の黄染が著明で,紫斑が散在していた.右3指と4指に爪上皮出血を認めた.
【神経学的所見】:頸部屈筋や大胸筋,腸腰筋にアクセントのある左右対称性の筋力低下を認めた.
【検査所見】Hb 10.1g/dl,血小板 1.8万/μl,白血球 5900/μl,Fib 382mg/dl,D-dimer 2.2mg/l,CRP 1.05mg/dl,赤沈(1時間値) 42mm,T-Bil 19.2mg/dl,D-Bil 14.6mg/dl,AST 216IU/l,ALT 456IU/l,LDH 372IU/l,ALP 2705IU/l,γ-GTP 1364IU/l,CK 13IU/l,Aldolase 13.7U/l,Myoglobin 24.2ng/ml,BUN 18mg/dl,Cre 0.49mg/dl,KL-6 620U/ml,SP-D 30ng/ml,Ferritin 745.4ng/ml,sIL-2R 3210U/ml,RF 106.0IU/ml,抗核抗体 陽性(100倍),抗DNA抗体 陽性,抗SS-A抗体 陽性,抗SS-B抗体 陽性,PR3-ANCA 陽性,抗ミトコンドリア抗体 陽性,抗ミトコンドリアM2抗体 陽性,PAIgG 陽性.尿沈渣で顆粒円柱を認めた.腹部CTと腹部エコーでは,胆管の拡張なし.針筋電図で右上腕二頭筋に陽性鋭波と早期リクルートメントを認めた.