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北海道支部教育セミナー(専門医部会企画)
イベントを読み込み中
開催日 2016年7月23日(土) 15時30分~17時10分
会場 北海道大学臨床大講堂
世話人 旭川医科大学 長谷部直幸(日本内科学会北海道支部代表)
札幌医科大学 山本 和利(日本内科学会専門医部会北海道支部部会会長)
事務局 北海道大学 中村 昭伸(日本内科学会北海道支部事務局)
参加費 無料
認定更新単位 2単位
参加について 総合内科専門医に限らず、どなたでもお気軽にご参加ください。
事前の申し込みも不要です
テーマ
『内科疾患アップデート~2016年』

  1. ミニレクチャー①「がん薬物療法における最近の話題」
    北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野 木下 一郎

    進行がんの薬物療法において、ここ数年で2つのブレイクスルーがあった。一つ目は分子標的治療の進歩であり、特に肺腺癌で多く見られるようなドライバーがん遺伝子変異を標的とする治療は飛躍的な治療成績の改善をもたらした。これらの遺伝子変異はコンパニオン診断薬で検査されるが、次世代シークエンサーで網羅的に解析し最適な治療薬を選択するクリニカルシークエンスの試みが開始されている。二つ目は免疫治療薬の承認である。がん細胞が免疫系を抑制する機構として免疫チェックポイント分子の存在が明らかとなり、それらを阻害する抗体薬が開発された。悪性黒色腫や非小細胞肺癌などで有効性が証明され、奏効例では長い奏効期間が示されている。こうしたがん薬物療法の進歩と問題点について概説する。

  2. ミニレクチャー②「骨髄不全症候群の診断・治療のアップデート」
    札幌医科大学血液内科学 小船 雅義

     骨髄不全症候群とは造血幹細胞の量的・質的減少により血球の減少を呈し,進行すると汎血球減少症を呈する造血器疾患である。通常、再生不良性貧血、低リスクの骨髄異形成症候群、発作性夜間血色素尿症が3大疾患として挙げられる。国民健康・栄養調査では、近年、正球性貧血患者が増加していることが示されており、60歳代で7~8%、70歳代で20%におよぶ。血小板あるいは好中球減少を伴うことがあり、造血不全症候群を発症していると考えられる。病型診断には骨髄検査が不可欠であるが、抗凝固剤内服やその他の合併症により、検査困難なことも少なくない。骨髄不全症候群の最近の知見、診断法および治療法の進歩について概説する。 

  3. ミニレクチャー③「肺がんに対する気管支鏡検査」
    北海道大学病院内科I 品川 尚文

    がんは我が国における死因の第一位となっており、その中でも肺がんは最も高い死亡率を示している。肺がんは、発見される段階で既に進行期であることが多く、早期発見早期診断は難しいことが多い。低線量CTによる検診でみつかるような小型の病変も増えてきたが、こうした病変に対する組織診断はしばしば困難である。肺末梢小型病変に対する気管支鏡検査における、最新の知見について概説する。また進行期肺がんに対しては、抗がん剤による化学療法が行われることが多いが、以前と比較して治療の個別化が進み、方針決定のためには腫瘍組織を十分に採取することが求められている。気管支鏡検査において、こうした診断法に対応するための工夫についてもお話する予定である。

  4. ミニレクチャー④「炎症性腸疾患診療;最近の話題」
    旭川医科大学内科学講座消化器・血液腫瘍制御内科学分野 藤谷 幹浩

    炎症性腸疾患は若年者に多く発症する難治性腸炎であり根治治療はない。しかし、抗TNFα抗体製剤に代表される新規治療薬の導入により、手術やステロイド治療を回避できる症例が非常に多くなった。それにともない、治療のゴールは自覚症状の消失から内視鏡的「粘膜治癒」へと移りつつある。また、大腸、小腸内視鏡によって行われてきた重症度評価や再燃予測が、便中カルプロテクチンなどの非侵襲的マーカーによって代用されるつつある。さらには病態に関連する遺伝的素因や腸内環境の異常が明らかになるにつれ、これらの新知見を活かした新規治療開発が急速に進んでいる。本講演では、これらの診療トピックスについて概説する。

  5. ミニレクチャー⑤「ループス腎炎の治療Update」
    北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学 保田 晋助

    ループス腎炎 (LN) は、全身性エリテマトーデスの合併する代表的な臓器病変である。増殖性LNに対する標準治療は高用量ステロイドとシクロホスファミド間欠静注療法 (IVCY) の併用であったが、ミコフェノール酸モフェチル (MMF) の寛解導入効果がIVCYに対して同等かそれ以上であること、また安全性における優位性が海外で示されたことから、治療の第一選択はMMFへと移行しつつある。本邦では、IVCYのほかにタクロリムスが汎用されてきたが、MMFも公知申請を経てこの度認可されるに至った。本講演では、タクロリムス、MMFによる治療効果の比較やこれらの併用療法を紹介し、LN治療の変遷と今後について概説する。

詳細

日付:
2016年7月23日

会場

北海道大学臨床大講堂
北海道札幌市北区北8条西5丁目 + Google マップ
電話:
011-716-2111
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