MENU

教育セミナー
イベントを読み込み中

CPC 症例検討

開催日 2018年6月16日(土) 12時45分~13時45分
会場 仙台国際センター会議棟 3階 白橿1
仙台市青葉区青葉山 TEL:022-265-2450 会場案内図・交通案内
企画 専門医部会東北支部(福島県)
世話人代表 山形大学 今田 恒夫
参加について 参加費無料、事前予約も不要です。
総合内科専門医に限らず、どなたでもお気軽にご参加ください。
認定更新単位設定 参加:2単位

「溶血と多彩な皮膚症状、消化管穿孔を来し診断に苦慮した1例」

企画
福島県立医科大学会津医療センター 橋本 重厚、大田 雅嗣
司会
福島県立医科大学会津医療センター 橋本 重厚
症例提示
福島県立医科大学会津医療センター 波入 雄大 / 角田 三郎
剖検所見・病理
福島県立医科大学会津医療センター 北條 洋
コメンテーター
福島県立医科大学血液内科 野地 秀義
内容
【症例】80歳代、女性
【主訴】多発する口内炎
【既往歴】60歳代 大動脈解離。70歳代 上行結腸癌にて右半結腸切除
     80歳代 心不全、腰部脊柱管狭窄
職業:無職(元事務職員) 喫煙なし 飲酒;なし アレルギー歴なし
【家族歴】特記すべきことなし
【現病歴】X-1歳、近医を受診した際、貧血及び高LDH血症を指揮され、当院血液内科を受診、破砕赤血球を認め、解離性大動脈瘤の既往を有することから物理的溶血が疑われた。その後貧血が増悪し近医を受診、ステロイドを投与されたところ貧血が部分的に改善したため、精査を目的に当院を経由し福島県立医科大学血液内科を受診.発作性夜間血色素尿症及び骨髄異形成症候群と診断され、プレドニゾロン15mgから開始しその後10mgに減量し継続投与。さらに貧血に対し、Hb 9g/dLを維持するため外来で継続的に輸血を施行。X歳(当院受診12か月後)、溶血発作予防と輸血量減量を目的にエクリズマブ投与を開始. その1か月後より、口内炎が多発.口内炎軽快後、左下顎に蜂窩織炎を発症し当院耳鼻科に入院. 経静脈的に抗菌薬セファゾリン→メロペネム)を投与され、局所症状は改善したものの40℃台の発熱が持続し、多発性口内炎が再発。単純ヘルペス感染が疑われアシクロビルを投与。同科入院7日後Hb 5.2g/dLと貧血を認めたため、血液内科に転科.
血圧107/59 mmHg, 脈拍数80/分, 整. 体温37.2℃、SPO2;97%. 眼瞼結膜貧血様, 舌右側下面に複数のアフタ性口内炎, 左上口唇粘膜に発赤. 胸部:ラ音なし, 心雑音なし. 腹部:平坦軟, 圧痛なし。
【血液検査所見】
血算:WBC 3700/μL(芽球+,桿状核球11.0%,分葉核球55.0%,好塩基球1.0%,好酸球4.0%,単球11.0%,リンパ球18%,異型リンパ球+,pelger異常+), RBC 181×104/μL(大小不同+,破砕赤血球+,有棘赤血球+), Hb 5.2 g/dL, Ht 16.6 %, 網状赤血球43.8 ‰, PLT 8.1×104/μL, PNH型白血球63.2%, PNH型赤血球9.7% 凝固:フィブリノーゲン 280 mg/dL, D-ダイマー 3.8μg/dL, APTT 39.3秒, PTINR 1.57, 生化学:Na 132 mEq/L, K 4.8 mEq/L, Cl 101 mEq/L, BUN 13 mg/dL, Cr 0.60 mg/dL, eGFR 70.8 mL/min/1.73m2, 尿酸3.0 mg/dL, T.bil 3.0 mg/dL, D-Bil 1.3 mg/dL, AST 26 U/L, ALT 19 U/L, LDH 383 U/L(LDH1), ALP 117 U/dL, γ-GTP 331 U/dL, CK 225 U/dL, TP 5.5 g/dL, Alb 2.5 g/dL, CRP 7.52 mg/dL, FPG 101 mg/dL, フェリチン 674 mg/dL, Vit.B12 >1500 pg/mL, 葉酸11.7 pg/mL, ハプトグロビン <10 mg/dL, 血清補体価 <12.0, βD-グルカン<5.0 pg/mL. 血液ガス(室内気):pH 7.461, pCO2 33.6 mmHg, pO2 72.0 mmHg、HCO3- 23.4 mEq/L.
自己抗体:抗核抗体陰性, 抗ds-DNA-AbIgG <10U/mL, 抗SS-A抗体陰性, 抗SS-B抗体陰性, PR3-ANCA/MPO-ANCA陰性.
【画像所見】胸部Xp:CTR 59.8%, 左肋骨横隔膜角鈍, 左肺野透過性低下.
【その後の経過】溶血発作と過凝固状態で耳鼻科より血液内科転科(第1病日).転科第病7日、エクリズマブを中止.第11病日、肛門周囲にびらんと潰瘍形成.第13病日、右眼強膜炎、角膜輪部潰瘍. 第15病日、アナボリックステロイド投与開始、抗菌薬をピペラシリンに変更。第25病日、37.8℃の発熱が出現し、抗菌薬をセフェピムに変更. 第29病日、左室関節痛出現しステロイド関節腔内注入. 第38病日、強い右上腹部痛が出現、腹膜刺激症状を伴い、胸腹CTでは、両側胸水貯留、肝上部表面にフリーエア、胆嚢結石、右腸骨窩小腸壁肥厚、粘膜造影効果不整、骨盤腔内に腹水貯留を認め、穿孔性汎発性腹膜炎と診断され、緊急手術(小腸大腸切除術および吻合)を施行. 術後一時全身状態が安定するも、第43病日 39℃台の発熱・呼吸困難が出現、CTにて左舌区肺炎、両側胸水を認め、DICとなった。抗菌薬とDIC治療を行ったが、 次第に呼吸不全に陥り、第51病日永眠. 病理解剖施行。
【臨床上の問題点】

  1. 激しい溶血が生じた病態とその原因は?
  2. 本例の多発するアフタ性口内炎、角膜、肛門周囲病変、消化管病変を一元的に説明する原因疾患は?
  3. 消化管穿孔の原因は何か?
  4. 早期診断は可能か?またその方法は?

詳細

日付:
2018年6月16日

会場

仙台国際センター
宮城県仙台市 青葉区青葉山無番地 980-0856 + Google マップ
サイト:
http://www.aobayama.jp/
PAGETOP
Copyright © 日本内科学会事務局 All Rights Reserved.