認定医制度の手引き
第2項 認定施設と指導医について
認定施設には、
- 審議会の審査を経て評議員会へ付議し認定する
【教育病院、教育特殊施設】 - 各地方委員会が審査し審議会が認定する
【教育関連病院、教育関連特殊施設】
がある。
教育病院および教育特殊施設の認定
施設認定基準
教育病院は下記の1~6の基準全てを満たさなければならない。
- 基幹型臨床研修病院の資格を満たす病院、および基幹型臨床研修病院に準ずる病院
- 内科病床数が50床以上あること
- 内科剖検体数が10体以上あること
- ※CPCが年5症例以上定期的に開催されていること
注:実施回数の記載と簡略化した一覧表報告(5症例)及びCPC実施時の資料(5症例)を添付すること - 内科指導医が5名以上で、全員が総合内科専門医であることが望ましい
- 本会年次講演会、または地方会での発表が年3演題以上あること
注意事項
- 認定を申請した年度を含め2年間、上記基準を満たした病院を認定医制度審議会で審査した上で、評議員会へ教育病院としての認定を付議する。
- 教育環境が整備され、教育システムとその内容が充実し、臨床教育の実績がある病院で、且つその地域における中心的役割を担っている病院については、上記基準の一部を満たさない事項があっても、特に認定医制度審議会が必要と認めた病院については教育病院として認定することを評議員会へ付議することができる。
【教育特殊施設】
- 内科臨床研修に関係のある優れた分野をもち、一般教育病院に対しても指導できる実力をもつ施設。
- 内科臨床研修に必要とされるが、現在の法律や制度上、一般病院で研修が難しい疾患や分野を有する施設。
※教育特殊施設は、分野により特殊性があるので個々に審査を行う。
※教育特殊施設での内科臨床研修は、教育病院の研修と同様に取り扱う。
施設認定の手順
- 認定審査は毎年1回行う。認定を受けようとする病院は、認定施設調査書(本会所定の用紙)に必要事項を記入し、指導医票(申請候補者1人1枚)を添付して、本会事務局へその年の5月末日までに提出する。
- 認定医制度専門委員会で認定施設調査書を審査し、必要により視察や問い合わせなどを行い、適すると認める病院を審議会へ推薦する。
- 審議会は適すると認める病院を評議員会へ推薦し、評議員会の承認を得て認定する。
施設認定の更新
施設認定は2年毎に認定の更新を行う。
- 教育責任者
認定を受けた施設は、指導医の中から教育責任者(大学病院では認定医制度事務連絡担当者)1名を指名し、審議会に届け出る。
教育責任者は、所属施設における内科臨床研修全般の事務を統轄し、教育病院連絡会議に出席する。 - 審査と更新手続き
認定更新は各施設から提出された【年報】によって審議会が審査し、審査結果を評議員会へ付議し、認定更新の手続きを行う。提出しない施設は認定を取り消されることもある。- 各病院から提出された【年報】は、一覧表にまとめ、教育病院連絡会議と審議会へ報告する。また、後日、日本内科学会雑誌に掲載し、公表する。
- 【年報】による審査で認定基準を満たさない事項が生じた病院には、その事項の回復向上を図るよう勧告する。
- 【年報】は各施設における4月~翌年3月までの1年間の諸事項を記入して、5月の締切日までに審議会へ提出する1年間の実績報告である。
年報用紙は毎年3月下旬頃に教育責任者へ送付するので、教育責任者は定められた期日までに必ず本会に提出する。
- 認定の保留
内科の剖検体数が2年連続10体未満のうち、2年連続剖検体数が7~9体の病院は認定更新を保留とし、下記”提出する書類”の提出を受けた場合、当初から3年目の剖検体数が10体を超えた病院については審議会で審査を行う。
(2008年4月10日開催の評議員会で承認)
保留の対象となる病院
内科の剖検体数が2年連続10体未満のうち、2年連続剖検体数が7~9体の病院(但し、他科に転科後の剖検例は含まない)。提出する書類
- 剖検を行った症例の一覧表および病理報告(記録)書
- 内科が関与した患者で、外科など他科に転科後死亡し、剖検を行った症例の一覧表
- 剖検を行ったもののうち、学会または症例報告として発表を行った数。発表を行ったものについては、学会抄録のコピ-または論文別刷を添付する。
認定の時期
審議会で承認されれば認定更新を行う。但し、承認されなければ認定の取消を行う。
- 認定の取り消し
2年連続して認定基準を満たさない事項が生じた病院は、認定更新の見送りまたは認定取り消しの手続きを行う。- 認定更新の見送りや認定を取り消された場合は、その年度から再認定されるまでは本会の臨床研修期間として取り扱わない。
- 再認定の申請
2年連続認定基準未満のために認定を取消しされた病院が新たに申請する場合は、1年間(取り消された年度を含む)認定基準を満たせば申請できる。
教育関連病院および教育関連特殊施設の認定
施設認定基準
教育関連病院は下記の1~7の基準全てを満たさなければならない。
- 基幹型臨床研修病院、もしくは協力型臨床研修病院の資格を満たす病院
- 内科病床数が50床以上あること
- 内科剖検体数が1体以上あること
- ※CPCが年1症例以上定期的に開催されていること
注:実施回数の記載と簡略化した一覧表報告(1症例)及びCPC実施時の資料(1症例)を添付すること - 内科常勤医が5名以上いること
- 内科指導医が3名で、全員が総合内科専門医であることが望ましい
- 本会年次講演会、または地方会での発表が年1演題以上あること
注意事項
- 認定を申請した年度(年度途中でも可能)が、上記基準を満たした病院を各地方委員会が審査し、審議会へ推薦する。
【教育関連特殊施設】
- 教育関連特殊施設は、審議会が教育特殊施設として認定するまでに達していないが、教育特殊施設と同様な考え方に立ち、内科臨床研修に活用する施設である。
- 教育関連特殊施設での内科臨床研修は、教育関連病院と同様に取り扱う。
施設認定の手順
- 認定を受けようとする病院は、認定施設調査書(本会所定の用紙)に必要事項を記入し、指導医票(申請候補者1人1枚)を添付して、事務局へ提出する。
- 認定医制度専門委員会で認定施設調査書を審査し、各地方委員会へ審査を依頼する。地方委員会は前記の基準に従って審査を行い、適すると認める病院を審議会に推薦する。
- 認定審査は随時行うが、審議会が認定を行う時期は審議会開催日となる。
施設認定の更新
最初の施設認定期間は、審議会で承認された時点から2年後の8月末日までであるが、11月末締切りの申請については年度での登録となるので2年に満たない認定期間となり、次回からは2年間となる。即ち、2年毎に認定の更新を行う。
- 教育責任者
認定を受けた施設は、指導医の中から教育責任者1名を指名し、審議会に届け出る。教育責任者は、所属施設における内科臨床研修全般の事務を統轄する。 - 審査と更新手続き
審査と認定更新は各施設から提出された【年報】によって審査し、審査結果を審議会へ付議し、認定更新の手続きを行う。提出しない場合は認定を取り消されることもある。
- 各病院から提出された年報は、一覧表にまとめ、審議会へ報告する。
- 【年報】による審査で認定基準を満たさない事項が生じた病院には、その事項の回復向上を計るよう勧告する。
- 【年報】は各施設における4月~翌年3月までの1年間の諸事項を記入して、5月の締切日までに審議会へ提出する1年間の実績報告である。
年報用紙は毎年3月下旬頃に教育責任者へ送付するので、教育責任者は定められた日までに必ず本会に提出する。 - 認定の取り消し
2年連続して認定基準を満たさない事項が生じた病院は、認定取り消しの手続きを行う。- 認定を取り消された場合は、その年度から再認定されるまでは本会の臨床研修期間として取り扱わない。
- 再認定の申請
2年連続認定基準未満のために認定を取消しされた病院が新たに申請する場合は、1年間(取消しされた年度を含む)認定基準を満たせば申請できる。
指導医
認定された施設に勤務(大学は専任教員、一般病院は常勤医師)し、認定内科医および総合内科専門医を育成する能力がある本会員で、認定施設からの申請によって審議会が内科臨床研修の指導を依頼する。
- 申請条件
過去5年間で、臨床研究に関する業績発表3篇を有し、次記のA、Bの項目のいずれかに該当する者であるが、Aに該当するのが望ましい- 総合内科専門医の認定を受けている者。
- 認定内科医あるいは指定13学会の専門医で、内科臨床経験7年以上(8年目)の者。
【指定13学会】
日本消化器病学会、日本循環器学会、日本内分泌学会、日本腎臓学会、日本呼吸器学会、日本血液学会、日本神経学会、日本アレルギー学会、日本リウマチ学会、日本感染症学会、日本糖尿病学会、日本老年医学会、日本肝臓学会
注:臨床研究に関する業績発表は、次記の1または2に該当するもの
- 発表は、内科医を対象とした公開の学術的集会でなされたもので、共同発表者でもよい。
- 論文は、内科医を対象とした学術的雑誌(定期刊行物)に掲載されたもので、共著者でもよい。
- 指導医を依頼する期間
施設認定期間と同じで、施設の認定が更新されれば依頼状も改めて発行する。但し、依頼状は本人が申請した認定施設の常勤を離れた場合は無効となる。 - 指導医の追加申請
新たに指導医の追加申請をする場合は、指導医票に諸事項を記入し、審議会へ提出する。 - 指導医の移動の届け出
- 指導医が他の認定施設へ移動した場合は、移動先病院の教育責任者は移動年月日、病院名、職責名および前勤務先の病院名を明記し、文書で審議会へ通知する。
- 移動の手続きは、その都度通知するか、年報提出の際に一括して通知する。
教育病院連絡会議
教育病院(大学病院も含む)と教育特殊施設の教育責任者が集まり、本制度の現況を報告し、また毎年5月末日までに提出された各病院の年報(会議開催前年の4月~会議開催年の3月までのもの)の一覧を提示して、忌憚のない意見や提案などを行う会議で、本制度の運営上の大きな力となっている。現在まで毎年1回開催している。