第123回日本内科学会講演会 会長
東北大学大学院医学系研究科血液内科学分野教授
東北大学理事・副学長
張替 秀郎
このたび、2026年4月10日(金)~12日(日)の3日間、第123回日本内科学会総会・講演会を東京国際フォーラムで開催させていただくことになりました。日本内科学会は、120年余の歴史を有し、会員数が12万人を超える学会で、医学系学会では日本で最大の学会です。このような学会の大会長を拝命する栄誉を自覚し、開催に全力を尽くしてまいります。
この第123回総会・講演会のテーマは「包摂する内科学」といたしました。内科学はすべてのサブスペシャルティ、そして開業医・勤務医・研究医といった多様なキャリアから構成される総合的な学問・診療分野であり、そのすべてを包摂しています。その包摂性は今後の地域や日本の医療課題の解決の基本となるものと考えています。また、国内外で社会的分断が問題となっている今、基盤学会である日本内科学会が、多様性を包み込む「包摂」を掲げる意義は大きいと考え、この言葉をテーマに取り上げました。
実際のプログラムですが、特別講演ではノーベル賞受賞者の田中耕一先生にご講演いただきます。会長企画パネルディスカッションで近未来の医療のゲームチェンジャーをテーマとし、AI、臓器再生、ロボティクス、ビッグデータ、デバイスをトピックスとして取り上げました。また、新たな企画として各支部地方会の優秀演題が一堂に会した地方会優秀演題セッションを設けました。内科症例の幅広さと奥深さを再確認するとともに、それぞれの地方会のアクティビティを感じていただければと思います。
「ことはじめ」では、例年通りの発表セッションに加え、国境なき医師団の中嶋優子先生の特別講演、スキルアップセッションを開催します。スキルアップセッションでは、AIの活用方法に関する講演に加え、実践的講義として研修医・専攻医が救急で遭遇する内科以外の診療科のtipsを5つの領域の専門医の先生にお話しいただきます。
また、市民公開講座では、「おいしく食べて、楽しく運動」をテーマに料理研究家の大原千鶴先生、順天堂大学の谷本道哉先生に加わっていただき、有意義なご講演をいただきます。
従来の教育講演・招請講演・シンポジウムも各領域からご推薦のあった第一人者の先生方に最新の講演をいただくことになっています。これら選りすぐりの充実したプログラムを仙台のスイーツとともにご堪能ください。会員の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げています。
なお、第123回日本内科学会総会・講演会の企画やプログラム作成に関しては、本学会の役員・評議員、学術集会運営委員会はじめ、各関連委員会、また各支部の関係者、内科学会事務局の皆さまに多大なご支援を賜りました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。