第228回東北地方会
◆2023年2月18日(土) ◆会長:東北大学 安田 聡
◆会場:一般演題:web開催、プレナリーセッション:ハイブリッド開催(会場:仙台国際センター)
- 演題番号 2
- 演者:岡島 なるみ / 指導医:土佐 慎也
秋田赤十字病院臨床研修センター
本県で初診断、初報告例となった日本紅斑熱の1例 - 演題番号 9
- 演者:田中 聡一郎 / 指導医:齋藤 雅彦
岩手県立中央病院総合診療科
初回搬送時に診断が困難であった一酸化炭素中毒の1症例 - 演題番号 8
- 演者:佐藤 あかり / 指導医:中川 孝
国立病院機構仙台医療センター総合診療科
初期治療開始後に縦隔気腫を合併したHIV関連ニューモシスチス肺炎の1例
受賞の感想
秋田赤十字病院臨床研修センター 岡島 なるみ
この度は日本内科学会東北地方会初期研修医プレナリーセッション、および若手奨励賞に選出頂き、大変光栄に思います。御指導いただきました秋田赤十字病院総合診療内科土佐慎也先生にはこの場をお借りして深く御礼申し上げます。
今回発表させて頂いた症例は、秋田県で初診断・初報告例となった日本紅斑熱の一例でした。発熱を主訴にいらした患者さんの血液検査と移動歴からリケッチア感染症を疑い、早期に治療を開始して経過をみるうちに血液検体のPCR検査で確定診断を得ることができました。秋田県で報告例の多いツツガムシ病とその特徴を比較しながら文献を考察し、重症化リスクや診療上の留意点等リケッチア感染症について知見を深めることができました。
今回この症例を通じて得た貴重な経験と知識を今後の診療に生かし、より一層の研鑽を積んで参りたいと思います。この度は誠にありがとうございました。
国立病院機構仙台医療センター 佐藤 あかり
この度は若手奨励賞に選出頂き大変光栄に存じます。中川孝先生を始めとする仙台医療センター総合診療科の先生方、感染症内科の今村淳司先生、熱心なご指導ありがとうございました。
免疫抑制状態にあるHIV関連ニューモシスチス肺炎(HIV-PCP)患者は症状が顕在化しにくく、重症度が過小評価されやすい傾向にあります。本症例は軽症としてST合剤単独で治療後にショック状態となり縦隔気腫を合併しました。ガイドラインだけではなく患者の全身状態を考慮し、適切な治療介入を図る必要があるという教訓になる症例でした。
現地開催のプレナリーセッションはとても白熱した雰囲気で、質疑応答では多くの学びを得ると共に学会の面白さを実感することが出来ました。初の学会発表でしたが82番COVID-19ワクチン後VITTの演題と併せ2題の発表となり、忙しくも充実した研修医の締め括りとなりました。現在は本症例の論文化に取り組んでおり、今後とも励んで参ります。
岩手県立中央病院 田中 聡一郎
この度は発表の機会を頂き、また若手奨励賞にご選出いただき誠にありがとうございました。
一酸化炭素中毒はしばしば遭遇する疾患ですが特異的な症候が無く、本症例では初回搬送時の診断が困難でした。
一般外来や救急の場面において内科医も本症を鑑別しなければならない場面がありうるものと考え、今回得た教訓を発表させていただきました。
今回の症例で得た経験を糧により一層自己研鑽に励む所存です。
今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。