第213回東北地方会
◆2018年2月17(土) ◆会長:東北大学 張替 秀郎 ◆会場:仙台国際センター
- 演題番号 4
- 演者:児玉 崇 / 指導医:高橋 広喜
国立病院機構仙台医療センタ―総合診療科
Tocilizumab投与により全身状態が改善したTAFRO症候群 - 演題番号 8
- 演者:渡辺 綾 / 指導医:浅野 智之
福島県立医科大学医学部リウマチ膠原病内科学講座
シクロスポリンとトシリズマブが有効であったTAFRO症候群の1例 - 演題番号 9
- 演者:大友 瑞貴 / 指導医:高橋 太郎
大崎市民病院血液内科
MTX治療中にperipheral Tcell lymphoma,NOSを発症した1例
受賞の感想
国立病院機構仙台医療センタ―総合診療科 児玉 崇先生
この度は、このような名誉ある賞を頂き大変光栄に思います。診断治療からスライド作成に至るまで、丁寧なご指導を賜りました総合診療科、血液内科、外科、消化器内科の先生方には、この場を借りて感謝申し上げます。
TAFRO症候群は血小板減少、全身性浮腫、発熱、骨髄線維化または腎機能障害、臓器腫大を主症状とし、急性に進行する原因不明の疾患です。近年、TAFRO症候群の症例報告数は増加している一方で、未だその認知度は低く、治療法についてのコンセンサスも十分とは言えません。本症例では組織生検の結果からTocilizumabの使用根拠を得ることができ、致死的であった全身状態を著しく改善することができました。
たとえ困難な疾患であっても、一人の患者様を救うため親身になって診療にあたる先生方の姿は非常に良いお手本となりました。同じ医師として働く私にとって、希少な疾患を経験できたこと以上に大きな収穫であったと感じております。
福島県立医科大学医学部リウマチ膠原病内科学講座 渡辺 綾先生
この度は貴重な発表の機会を頂き、更に若手奨励賞に選出頂いたことを大変光栄に思います。手厚くご指導してくださったリウマチ内科学講座の諸先生方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今回の症例を通じ、理学所見や検査所見から病態を丁寧に考え、稀な疾患であっても研究会や症例報告などからも知識を得て、正確な診断、適切な治療を行う重要性を学びました。また、伝えたいことを分かりやすくプレゼンテーションする難しさも感じ、ご指導いただいたことを生かし学んでいきたいと思います。
今後も一症例を大切にし、自分の知識や技術として身につけ、診療に励んでいきます。貴重な経験をさせて頂き、誠に有難うございました。
大崎市民病院血液内科 大友 瑞貴先生
今回は素晴らしい発表の場と,さらには若手奨励賞という名誉ある賞をいただきとても光栄に思っております.温かいご指導を施していただいた高橋太郎先生をはじめとする大崎市民病院血液内科,リウマチ科,病理部の先生方には大変感謝しております.
今回発表で取り上げた関節リウマチと悪性リンパ腫はともに発症様式が非常に多様であり背景となる病態も複雑です.複雑な病態において情報を絞り,簡潔な発表と図表作成とに細心しました.何回かの練習で5分の制限時間に収まるようになり,スポーツ感がありました.また本例は医原性であり,一般診療に潜む落とし穴です. 一般医が早期に発見するにはどうすればいいかというご質問に上手く答えられず,まだまだ臨床医としての目線が足りないと痛感いたしました.
今後も内科医としてより多くの症例と経験を蓄積していきたいと思っております.関係者各位の皆様,今後ともご指導,ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします.これで受賞の挨拶とさせていただきます.