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第231回東北地方会 若手奨励賞受賞者

第231回東北地方会

◆2024年2月17日(土) ◆会長:東北大学 安田 聡
◆会場:一般演題:web開催、プレナリーセッション:ハイブリッド開催(会場:仙台国際センター)

演題番号 6
演者:山本 正浩 / 指導医:中屋 来哉
岩手県立中央病院腎臓・リウマチ科
組織球の胸膜浸潤により拘束性換気障害を呈し, 2型呼吸不全により死亡したErdheim-Chester病の1剖検例
演題番号 7
演者:鹿野 晃矛 / 指導医:渡辺 洋
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科
神経線維種I型にFGF23関連低リン血症性骨軟化症を合併した1例
演題番号 8
演者:松川 洸子 / 指導医:小野寺 晃一
東北大学病院卒後臨床研修センター
血清ビタミンB12値が偽性高値を示したHunter舌炎の1例
演題番号 9
演者:杉谷 勇太 / 指導医:橋本 洋
岩手県立中央病院糖尿病・内分泌内科
原発部位特定に難渋した腫瘍性低リン血症性骨軟化症の1例
受賞の感想

岩手県立中央病院腎臓・リウマチ科 山本 正浩 先生

この度、第231回日本内科学会東北地方会にて、発表の機会を賜り、さらに若手奨励賞を受賞する栄誉に浴しましたこと、心より感謝申し上げます。
 Erdheim-Chester病は、その希少性と特徴的な画像所見、病理所見により診断される疾患です。BRAF変異との関連が明らかになって以来、この疾患に関する報告は増加傾向にあり、腫瘍増殖性疾患としての注目が高まっています。既存の報告では心血管疾患が主要な死因とされていますが、特に胸膜の肥厚を背景とした拘束性換気障害が死因と考えられる点が本症例の顕著な特徴として挙げられました。
 本疾患に対する確立された診断基準やガイドラインが存在しない中、指導医のもとでの診断・治療過程は、文献調査、多様な検査の選択と組み立て、治療方針の決定、患者への説明、さらには剖検の立ち会いまで、内科医に求められる幅広い知識と技術を習得する貴重な機会となりました。
 本症例で培った内科的技能を土台として、内科専攻医3年目として修練を積む事と、指導医の先生方に倣い後進の指導を行う事が今後の目標です。
 本症例担当時、学会発表にあたり御指導いただきました、中屋来哉先生、片倉世雄先生に御礼申し上げます。
 この度は、学会発表の貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。

宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科 鹿野 晃矛 先生

この度は日本内科学会東北地方会の初期研修医プレナリーセッション、および若手奨励賞に選出頂き、身に余る光栄でございます。また発表に際し、ご指導いただきました渡辺洋先生、大衡竜太先生をはじめとする坂総合病院呼吸器科の先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。
 今回発表させていただいた症例は、神経線維腫Ⅰ型(NF1)にFGF23関連低リン血症性骨軟化症(以下、本疾患)を合併した症例でした。NF1に本疾患を合併する症例は世界でも3例しか症例報告がなく非常に稀な症例です。一方で、本疾患自体は認識が深まるにつれ症例報告も増えています。加えて早期の診断と介入がなされないと、本症例のようにADLが大きく損なわれます。今回の症例報告で、一人でも多くの患者さんの早期診断と介入に繋がれば幸いです。
 私にとって今回が初めての学会報告であり、大変貴重な経験となりました。また質疑応答でも各科の先生方から質問していただき、改めて本症例についての学びが深められました。今回の経験を活かし、今後も研鑽に励む所存です。この度は、誠にありがとうございました。

東北大学病院卒後臨床研修センター 松川 洸子 先生

この度は日本内科学会東北地方会初期研修医プレナリーセッションにご選出いただき、若手奨励賞を賜りまして身に余る光栄に存じます。このような名誉ある賞をいただけましたのは、小野寺晃一先生をはじめとする東北大学病院血液内科の先生方の温かいご指導によるものであり、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
 本症例は、悪性貧血による抗内因子抗体のために血清ビタミンB12値が偽性高値であり血清ホモシステイン値測定が診断に有用であったHunter舌炎の1例でした。検査が必ずしも正しい結果を示すとは限らず、臨床経過と検査結果に矛盾が生じているならば2次検査を行う重要性を学びました。
 医学生そして研修医としての経験の中で1人1人の患者様から多くのことを学ばせていただいております。今回の発表が直接お会いできない患者様の診断や治療の一助となれば幸いです。今後とも日々の臨床経験を糧にし、常に探究心を持って精進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

岩手県立中央病院糖尿病・内分泌内科 杉谷 勇太 先生

この度は若手奨励賞にご選出いただき誠にありがとうございました.ご指導いただきました糖尿病内分泌内科の先生方,病理診断科の千場良司先生には心より感謝申し上げます.
 本症例は当初疲労骨折と思われていた全身の疼痛が,腫瘍性骨軟化症により引き起こされており,FGF23産生腫瘍を摘出することで症状改善したという一例です.各種検査所見を総合的に解釈し,適切な治療プロセスへと繋げ,症状の改善につながるという一連の流れを主体的に経験させていただきました.内科の醍醐味は診察から有意な所見をピックアップし,そこから病態への仮説を立て,その仮説に基づいて検査を計画し,その結果から最終的な診断得て治療方針を検討する点にあると感じておりますが,本症例はそうした内科の魅力を十分に味わえる症例であったかと思います.
 事前準備等で至らない点も多く,自己の未熟さを痛感しておりますが,今回の受賞を糧に今後も自己研鑽に励んで参りますので,ご指導のほどよろしくお願い申し上げます.

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