第122回日本内科学会総会・講演会を、2025年4月18日(金)、19日(土)、20日(日)の3日間の会期で、大阪国際会議場ならびにリーガロイヤルホテル(大阪)で開催させていただきます。日本内科学会は、第1回総会が1903年に開かれ、現在の会員数は12万人を超え、輝かしい伝統を有する本邦における最大の医学会です。このような学術集会の会長を拝命し、たいへん光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いです。
本総会・講演会のメインテーマは「いのち輝く内科学」としました。このテーマは同時期にスタートする大阪・関西万博に対するオマージュになっています。今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。ちょうど55年前の大阪万博のテーマが「人類の進歩と調和」でしたから、半世紀が過ぎ、時代はまさに「いのち」に最大の価値をおく状況になっているといえるでしょう。いのちを輝かせるための中核にあるのはいうまでもなく医学・医療であり、そのなかでも「内科学」の果たすべき役割は大きいといえます。
疾病を未然に防ぐこと、疾病を早期に発見し治療に繋げること、そしてたとえ疾病を治癒させることができなくても、質の高い生活ができるよう治療を継続していくこと、内科学はまさに、人々の健康を守り、快適で満足のいく生活を延伸するためにあるといえるでしょう。ビッグデータの活用やAIの利用、医学・生物学におけるさまざまな技術革新は、まさにそのためにあります。このような思いを込めて今回のテーマを設定させていただきました。
本総会・講演会では、特別講演1題、招請講演5題、シンポジウム3題、パネルディスカッション1題、教育講演18題および会長講演1題を企画しています。特別講演は、生物学者として多くの著書で有名な福岡伸一先生にお願いしました。福岡先生は、万博のテーマ事業プロデューサーの一人でもあります。招請講演、横断的な3つのシンポジウム、教育講演は、それぞれの領域のリーディング・エキスパートにより内科学の全領域をカバーして、内科学の最新情報を網羅するように構成されています。パネルディスカッションのタイトルは「微小環境が解き明かす内科疾患」としました。さまざまな内科疾患における最新のテクノロジーを駆使した微小環境研究の現状を発表いただき、各疾患の新しい病態理解や治療法開発の方向性について議論いただきます。そのほか、今回も医学生・研修医・専攻医が発表する「ことはじめ2025大阪」を開催します。会期2日目の全日を通して行われ、午前中は各ブースに分かれての演題発表、午後からは各種のスキルアップセミナーと双方向性のディべートセッションを2会場で開催します。多くの若手医師、学生の皆さんのご参集を期待しています。
また、市民公開講座は「食べることは、生きることそのもの」というテーマで、会期3日目の午前中に中之島の大阪市中央公会堂で開催します。「食」にまつわる様々な話題と健康へのヒントが詰まった楽しい講座を企画しています。ぜひ多くの市民の方々にお集まりいただければと思っております。なお、本公開講座は学会場にもライブ中継する予定です。
第122回日本内科学会総会・講演会のプログラム企画や準備は、学術集会運営委員会の先生方をはじめ、役員・評議員の先生方、事務局の皆様など、多くの方々のご尽力を賜りながらすすめております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。大阪での日本内科学会総会・講演会の開催は、2007年の第104回以来、18年ぶりになります。久しぶりの大阪での総会・講演会に多くの会員の皆様にお越しいただき、学会を盛り上げていただけましたら幸甚です。よろしくお願い申し上げます。