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「第119回日本内科学会総会・講演会」開催にあたって

 

 

 

 

第119回日本内科学会講演会会長
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授
稲垣暢也

 第119回日本内科学会総会・講演会を,令和4年(2022年)4月15日(金),16日(土),17日(日)の3日間にわたり,京都市勧業館(みやこめっせ)ならびにロームシアター京都にて開催させていただくことになりました.1903年に第1回内科学会総会が開催されて以来,本年で第119回を迎えることとなります.このように,歴史と伝統のある日本内科学会講演会の会長を務めさせていただけることを大変光栄に存じますとともに,その責任の重さを感じています.
 わが国におけるコロナ禍は,すでに約2年の間続いており,学会活動も含めたさまざまな社会・経済活動が制限されています.一方で,その間にオンラインを用いたコミュニケーションが一気に広がり,社会に大きな変化がもたらされました.一昨年の第117回,昨年の第118回講演会は,ハイブリッド形式で開催され,face to faceのコミュニケーションではないという限界はありますが,子育て世代や日常診療で多忙にされておられる先生方など,時間的または距離的な制約のある会員が参加し易くなったことで,講演会の在り方にも大きな変化が起こっています.わが国の歴史を振り返れば,今回のようなパンデミックはこれまでに幾度も繰り返されていますが,これらの長い歴史を見つめ続けてきた京都鴨川の流れを,今後二度と起こらないようにとの想いとともに,ポスターに表現させていただきました.
 わが国の内科学会が創設されて以来,120年近くになりますが,この間における内科学の進歩はめざましく,多くの疾患を克服してまいりました.私が専門とする糖尿病を例にあげても,さまざまな新規治療薬が開発され,また,医療機器や医療技術も大きく進歩を遂げています.現在未曽有の超高齢社会を迎え疾病構造が変化しているわが国においては,次々と新たに出現する課題に対し,さまざまな分野の知を統合し,社会と共にこれからの内科学を創り上げていくことが求められていると思います.本講演会では,特別講演1題,招請講演5題,シンポジウム3題,パネルディスカッション1題,教育講演18題および会長講演1題を企画しています.特別講演には,がん免疫療法の開発で2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶佑先生(京都大学)にご講演をいただきます.招請講演では,各分野の最新のトピックスを,また,シンポジウムでは,これからの内科学として期待されているテーマとして,「再生医療の最前線」,「AIと内科診療」,「分子標的薬が変える内科学」を企画いただきました.パネルディスカッションでは,「臓器間ネットワークでとらえる内科学」をテーマに,臓器別に分化した医学を全身において再び統合することの重要性を感じていただければと思います.教育講演は,内科学全領域における基本的な内容から最新の内容までバランスよくカバーした内容になっています.
 そのほかにも,医学生・研修医が発表する「医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ2022京都」,働き方改革・ダイバーシティ公開シンポジウム「医師の働き方改革を中心に~  未来への提言」,市民公開講座「コロナから何を学び,どう備えるか」など,さまざまなサテライトシンポジウムを企画しております.
 先述しましたように,わが国では今なおコロナ禍が続いております.このような状況下で講演会の開催にはさまざまな制約がありますが,オンライン形式を取り入れながら,できるだけ多くの会員の皆様に,これからの診療・研究にお役立ていただけるよう努めてまいりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます.
 最後に,第119回日本内科学会講演会のプログラム企画や運営は,学術集会運営委員会の先生方をはじめ,役員・評議員,事務局の皆様,そして妹尾 浩準備委員長や京都大学の学内準備委員の先生方など,多くの皆様のご助言やご助力を賜りながら進めてまいりました.この場を借りて厚くお礼申し上げます.

講演会・各支部

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